過激派組織「IS(イスラム国)」に忠誠を誓う武装勢力「マウテ」などが5月下旬から、フィリピン南部のミンダナオ島マラウィ市でフィリピン軍との戦闘を続けている。フィリピン軍の広報官は6月13日、マウテの戦闘員は市民を人間の盾として動員しており、軍の進行が妨げられているなどと語った。逃げようとする人たちは、射殺されているという。フィリピンスターなどが伝えた。
■マウテとは?
フィリピンスターによると、「マウテ」を創始したのはマラウィ生まれのマウテ兄弟。二人は中東で働いていた際にイスラム神学を学んでおり、残酷なタリバン流の司法制度を強制することで知られている。
テロ組織を監視するアメリカの団体「SITE インテリジェンス・グループ」によると、ISが6月12日に通信社「Amaq」を通じて公開した動画では、戦闘員らがマラウィでキリスト教徒6人を銃で殺害する様子が映っていた。
6月10日にシンガポールの軍事専門家はミンダナオ島について、インドネシアにカリフ制を樹立しようとして失敗したテロリストの拠点になっていると指摘していた。
■これまでの経緯
・5月23日 ISフィリピン支部指導者のハピロン容疑者のアジトに対する、軍の奇襲攻撃が失敗。戦闘に発展。
・5月23日 ドゥテルテ大統領がミンダナオ島に戒厳令
・5月下旬 フィリピン空軍がマラウィ市内の一部を空爆開始
・6月12日 政府は戦闘の期限について言及。しかし、いつになるかは明らかにしなかった。
・6月14日 フィリピン軍報道官が、アメリカ軍がフィリピン軍の支援活動を行っていることが明らかにした。
▼「ミンダナオ島マラウィ市での戦闘(2017年)」画像集が開きます▼
【※】スライドショーが表示されない場合は、521740へ
【関連記事】
ドゥテルテ大統領がフィリピン南部に戒厳令 政府軍とイスラム過激組織の衝突で