1年前の2016年4月、生後10週間のジャーマン・シェパードのガベルは、オーストラリア・クイーンズランド州の警察犬として華々しいデビューを果たした。
ガベルのデビューを伝えるクイーンズランド州警察のプレスリリースには、こんなに素晴らしい紹介文が書かれている。
ガベルの就任を伝えるプレスリリース
「ガベルは由緒正しい家系のジャーマン・シェパードで、現在警察犬として活躍しているブラボー、ボルト、ボウ、チーフ、カモと親戚です。きっと16カ月後にガベルはクイーンズランド州警察犬の一員として犯罪者を捕まえる活躍をしていることでしょう」
しかもガベルは、クイーンズランドの警察犬として初めて、クイーンズランド州総監の公邸に住むことになった。警察の期待が感じられる。
ところが数カ月後、クイーンズランド警察は期待を裏切られることになる。素晴らしい血統の家系に生まれたにも関わらず、ガベルは警察犬になるにはあまりにフレンドリーすぎたのだ。
嬉しそうにお腹を撫でてもらうガベル
泥棒を捕まえたり爆発物の匂いを嗅ぎ分けたりするより、知らない人にお腹をさすってもらったり抱きしめてもらったりするのが好きだったとBBCは伝えている。
そして2月、ガベルのトレーナーは「社交的すぎる」という理由で、ガベルの16カ月のトレーニングプログラムを中止した。
しかし、捨てる神あれば拾う神あり。クビになったガベルに、ポール・デ・ジャージー州総監から新しい仕事がオファーされたのだ。
新しい仕事は「総督犬」。警察犬に負けず劣らず立派な仕事だ。雇用契約書も準備された。
雇用契約書「私、ガベルは、2017年2月17日よりクインズランド州総督の公邸で総督犬として勤務します」
総督犬としてのガベルの仕事は、訪問者お客を迎える、公式行事に参加するなど。警察犬としては“不適格”とされたガベルだが、新しい職場でいきいきと活躍している。
「ガベルはクイーンズランド州の警察犬には向いてなかったかもしれませんが、クイーンズランドの総督犬として必要な資質を十二分に備えています」
「総督犬勤務2日目。ボランティアガイドと一緒に説明会に参加」
「明日のオープンデーに備えて最終準備」
時には、失敗もあるようだけれど…。
「次の土曜日のオープンデーまでに、もう少しマナーを磨いて欲しいと願う」
一つの仕事が上手くいかなくても、落ち込まなくていいんだね、ガベル。新しい仕事頑張って。
ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳・加筆しました。
▼お仕事中の警察犬(画像集)▼
※画像集が表示されない場合は→こちら。ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。