「Jアラート」とは?北朝鮮がミサイルを続けて発射しているけど、どんなルールで鳴ってるの?

大地震や弾道ミサイル発射時などの緊急事態に国民に瞬時に緊急情報を知らせてくれるのが「全国瞬時警報システム」、通称「Jアラート」だ。
The scene of the intermediate-range ballistic missile Pukguksong-2's launch test in this undated photo released by North Korea's Korean Central News Agency (KCNA) May 22, 2017. KCNA/via REUTERS ATTENTION EDITORS - THIS IMAGE WAS PROVIDED BY A THIRD PARTY. EDITORIAL USE ONLY. REUTERS IS UNABLE TO INDEPENDENTLY VERIFY THIS IMAGE. NO THIRD PARTY SALES. SOUTH KOREA OUT.
The scene of the intermediate-range ballistic missile Pukguksong-2's launch test in this undated photo released by North Korea's Korean Central News Agency (KCNA) May 22, 2017. KCNA/via REUTERS ATTENTION EDITORS - THIS IMAGE WAS PROVIDED BY A THIRD PARTY. EDITORIAL USE ONLY. REUTERS IS UNABLE TO INDEPENDENTLY VERIFY THIS IMAGE. NO THIRD PARTY SALES. SOUTH KOREA OUT.
KCNA KCNA / Reuters

北朝鮮によるミサイル発射が相次いでいる。

このような緊急事態に、国民に情報を知らせ、避難を促すのが「全国瞬時警報システム」、通称「Jアラート」だ。

5月29日朝に北朝鮮から弾道ミサイルが発射され、日本の排他的経済水域(EEZ)に落下した。にもかかわらず、このJアラートが発動せず、Twitter上では「Jアラートが鳴らないのなんで?」といった声があがっていた。

■「Jアラート」とは?

総務省消防庁の発表している説明資料によると、Jアラートとは以下のようなものだ。

弾道ミサイル情報、津波警報、緊急地震速報など、対処に時間的余裕のない事態に関する情報を国

(内閣官房・気象庁から消防庁を経由)から送信し、市町村防災行政無線(同報系)等を自動起動することにより、国から住民まで緊急情報を瞬時に伝達するシステム

(総務省消防庁「全国瞬時警報システム(J-Alert)」説明資料より)

2007年2月から一部の地方公共団体で運用が開始され、2017年現在、全ての地方公共団体がJアラートに対応しているという。

Jアラートを使用すると、市町村の防災行政無線等が自動的に起動し、屋外スピーカー等から警報が流れるほか、携帯電話にエリアメール・ 緊急速報メールが配信される。

■弾道ミサイルが発射されたら?

弾道ミサイルが発射された場合、Jアラートは私たちにどのように届くのだろうか?

●ステップ1

政府が、弾道ミサイルが日本に「飛来する可能性」があると判断した場合に、国民に避難を呼びかけるために送信される。

●ステップ2

その後、弾道ミサイルが日本の領土・領海に「落下する可能性」があると判断された場合には、続報としてただちに避難を呼びかけるメッセージが届く。

●ステップ3

弾道ミサイルが日本の領土・領海に「落下した」と推定された場合と、日本の上空を「通過した」場合と、日本まで飛来せず「領海外の海域に落下した」場合に、その旨が続報として届く。

【参考】エリアメール・緊急速報メールの受信画面の実例

(平成28年2月7日に沖縄県内で配信されたもの)

■ミサイルが発射されてもJアラートが来ない時がある?

しかし、5月29日朝の弾道ミサイル発射時のように、Jアラートが届かない時もある。この日に届かなかったのはなぜだろうか?

総務省のQ&Aサイトによると、弾道ミサイルが日本の「領土・領海」に落下する可能性、あるいは通過する可能性がないと判断された場合には、Jアラートは使用されないという。

EEZ内にミサイルが落下する可能性がある場合にはJアラートは使われないが、船舶、航空機に対しての警報が発せられる。

【参考】領海等に関する用語(海上保安庁ホームページより)

■「Jアラート」の役割、より重要に

朝日新聞デジタルによると、連日の北朝鮮からの弾道ミサイル発射を受けて、政府は5月9日にJアラートによる避難呼びかけのアナウンス内容を変更した。国民に安全確保を促せるように、より具体的な指示を含む内容に変更したという。

これまで、ミサイル発射直後は「ミサイルが発射された模様です」とアナウンスしていたが、これに加えて「頑丈な建物や地下に避難して下さい」と付け加えた。

避難呼びかけについても、「直ちに避難。屋内に避難して下さい」から「直ちに避難。直ちに頑丈な建物や地下に避難して下さい」と具体的な指示を付け加えた。

ミサイルが日本の領土・領海に落下したと推定される場合は、「不審な物を発見した場合には、決して近寄らず、直ちに警察や消防などに連絡して下さい」としていたが、「続報を伝達しますので、引き続き屋内に避難してください」と呼びかける内容に変えたという。

続く5月11日に、消防局は、Jアラートを受信できない場合の対策方法を発表した。

報道資料によると、ほとんどの携帯電話・スマートフォンでJアラートの受信が可能だが、一部受信ができない端末があるという。受信できない場合には、Yahoo社が無料で提供している「Yahoo!防災速報」を利用する方法と、一部の地方公共団体で実施している事前にメールアドレスを登録しておく方法の2通りで、弾道ミサイルなどの情報を受け取るように勧めている。

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