2016年のアメリカ大統領選をめぐるトランプ陣営とロシアの関係についての捜査に注目が集まる中、ワシントン・ポスト紙が5月26日、ドラルド・トランプ大統領の娘婿ジャレッド・クシュナー大統領上級顧問が、政権発足前の2016年に、ロシア施設を使った極秘の通信ルートの開設をロシア大使に提案していたと報じた。
同紙やニューヨーク・タイムズ紙によると、クシュナー氏は2016年12月初旬、キスリャク駐米大使とニューヨークのトランプタワーで面会し、盗聴の心配のない通信ルートの開設を提案。アメリカ国内にあるロシア大使館などの外交施設を使い、ロシア政府と機密性の高い情報交換ができるよう求めた。
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この提案の場には、後にトランプ政権の大統領補佐官(国家安全保障担当)に就任し、わずか24日で辞任したマイケル・フリン氏も同席した。通信ルートはロシア軍の高官とシリア情勢などを協議する目的とされたが、結果として設置されることはなかった。
ホワイトハウスはコメントを控えた。ロシア大使館にコメントを求めたが回答はなかったという。
アメリカ連邦捜査局(FBI)は、大統領選におけるトランプ陣営とロシアの共謀の有無について捜査しており、クシュナー氏の動向が疑惑解明の焦点となる可能性も出てきた。
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