週刊文春と新潮の中吊り広告をめぐる問題で、バトルが過熱している。新潮は5月18日発売号で、文春が出版販売会社を通じて自社の中吊り広告を事前に受け取ったとする疑惑の詳細記事を掲載。これに対して文春は公式サイトで「不正や盗用の事実は一切ない」と否定した。
新潮は18日発売号で、この問題について10ページにわたる特集記事を掲載。文春を発刊する文藝春秋の社員とされる人物が、コンビニで新潮の中吊り広告をコピーする様子を写した写真付きで、問題の経緯などを詳細につづっている。
記事によると、疑惑のきっかけとなったのは、2014年に起きた朝日新聞の慰安婦報道問題。これに関連して新潮が、ジャーナリストの池上彰氏が同紙に書いていたコラムの連載引き上げを決めたことを報じようとしたところ、文春に先を越された。
掲載内容をまとめた中吊り広告にこのスクープを載せていた新潮に対して、文春は載せていなかったが、新聞広告では追加されている。こうしたことなどを根拠に、情報流出を疑い始めた。
同じようなことが起きた他の記事も例に挙げ、入手した自分たちの中吊り広告を基に、文春が記事を書き換えたと主張している。新潮は、普段取引のある出版販売会社から流出したと特定。「商品」として渡している中吊り広告が、同社を通じて文春に渡ったと結論付けた。
これに対して文春は5月18日、公式サイト上で読者に向けて編集長名でメッセージを公開。「情報を不正に、あるいは不法に入手したり、それをもって記事を書き換えたり、盗用したりしたなどの事実は一切ありません」と、報道されている一連の疑惑を否定した。
新潮の記事について触れ、「あたかも『週刊文春』が自らのスクープ記事を盗んでいるかのように書かれていますが、例として挙げられた記事においても、そうした事実は断じてありません」と強調した。
中吊り広告と新聞広告とで内容が異なることについては、「取材はギリギリまで行っているため、締め切りにタイムラグがある中吊り広告と新聞広告でその内容が異なることは決して珍しいことではありません」と主張した。
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