『フリーブックス』に出版社が対抗措置 無料のマンガ読み放題サイト、講談社「許しがたい行為」

講談社などの大手出版社が、漫画・書籍・雑誌が無料で大量に公開されていた投稿サイト「Free Books(フリーブックス)」について、著作権侵害にあたるとして対抗措置を取ることを検討すると発表した。

無料で大量の漫画・書籍・雑誌を公開していた投稿サイト「Free Books(フリーブックス)」について、講談社などの大手出版社が、著作権侵害にあたるとして対抗措置を取ることを検討すると発表した。

同サイトでは、アクセスした人が会員登録などの手続きなしで自由にコンテンツを閲覧できるようになっており、2017年に入りネット上で違法性を指摘する声が続出していた。5月初旬に閉鎖されたため、現在は閲覧できない状態になっている。

閉鎖された漫画・雑誌などの投稿サイト「Free Books(フリーブックス)」。(※画像の一部を編集部で加工しています)

フリーブックスはサイト上で、「自作の漫画コミック・雑誌・同人誌・小説を自由に投稿し皆で共有&読み放題にできる」と謳っていた。投稿されているコンテンツについては「自作」と説明しつつも、実際には出版社が発行している漫画や雑誌、同人サークルが製作した同人誌などのコンテンツが大量にアップされていた。

その中には人気漫画『ONE PIECE(ワンピース)』(集英社)全巻なども含まれていた。また、『週刊少年ジャンプ』(集英社)や『週刊少年マガジン』(講談社)といった漫画雑誌が発売日前に投稿されることもあった。

日テレニュースによると、表向きはユーザーが作品を投稿できるようになっていたが、実際には投稿できなかったという。そのため、サイトの運営側がユーザーから投稿されたことを装ってコンテンツをアップしていた可能性が高い。

■講談社、「許しがたい行為」と非難

2012年、インターネット上の違法コンテンツについて、ユーザーが違法と知りながらダウンロードすることも刑罰の対象となった。しかし、刑事罰の対象となるのは音楽や映像のダウンロード、録音または録画といった行為のみで、漫画や雑誌といった紙コンテンツを画像データとしてダウンロードする行為に関しては刑事罰の対象となっていない。

ハフポスト編集部の取材によると、講談社は去年末ごろにはフリーブックスを把握し、対応策を練ってきたという。

同社はフリーブックスについて、「同サイトで行われていたことは、著者の権利を踏みにじり、正当に書籍・雑誌を購入した読者が損をする許しがたい行為です。著作物が、何ら許諾なく閲覧可能な状態であったこのサイトが閉鎖されたことは当然のことと考えております」とコメント。

今後の対抗措置として、「今回は刑事告訴を含めて法的措置を検討しておりますが、今後も著作権者側の権利を侵害する違法行為に適切に対処」するとした。

■関連画像集「小学館ビルの『落書き』写真集」

【※】スライドショーが表示されない場合は、こちらへ。

注目記事