あと数時間で、エマニュエル・マクロン氏とマリーヌ・ルペン氏のどちらがフランスの大統領になるかが決まる。最新の世論調査では、約60%の有権者がマクロン氏に投票するという結果が出ている。
政治運動「アン・マルシュ!」(前へ!の意)を率いるマクロン氏は、これから5年間、フランスという国のリーダーとしてルペン氏よりも「少しだけ」信頼がおける――世論調査会社「YouGov」が、ハフポストフランス版およびフランスのインターネットテレビ局「CNews」と共同で行った大規模調査でも、そんな結果が出た。
調査は、18歳以上の有権者約1000人を対象に、12のトピックについて「マクロン氏とルペン氏、どちらが問題により適切に対応できると思うか」について聞いた。その結果、マクロン氏は8つのトピック(教育、債務処理、環境問題、経済成長、税制、住宅問題、対EU関係、対EUを除く国際関係)でルペン氏より信頼されているとの結果が出た。一方、ルペン氏は4つのトピック(失業対策、移民政策、社会保障、社会不安対策(暴動対策など))について、マクロン氏を信頼度で上回った。
また、「フランス大統領府を率いる政治リーダーとして必要な能力」について尋ねた調査では、5項目中3項目でマクロン氏がルペン氏を上回った。マクロン氏は「諸外国に対してフランスを代表する」「国会で多数派の支持を得る」「透明性と誠実さを体現する」の3点でルペン氏より優れていると評価され、ルペン氏は「国家と強い結びつきを生む」「物事を変える」の2点でマクロン氏より優れているとの評価を受けた。
マクロン氏が喜ぶのはまだ早い
マクロン氏がより多くの項目でルペン氏より評価されたとはいえ、彼が勝利を確信するにはまだ早すぎる。
4つの項目(環境問題、税制、住宅問題、および「必要な能力」における「透明性と誠実さ」)においては、最も多かった回答は「マクロン氏とルペン氏、どちらも信頼できない」というものだった。さらに、有権者が調査の中で「他の項目より重要な問題」と答えた失業対策、移民政策、社会保障、社会不安対策の4つで、マクロン氏はルペン氏より低い評価に留まっている。
以上の結果は、大統領選の最終局面を迎えたマクロン氏の情熱に水を差すものであると同時に、もし大統領に選ばれたとしても、それが国民による無制限な信任を得たことを意味しないことを確認しているといえる。
全ての調査結果については、ここをクリック(フランス語)。また、主要な結果は以下のインフォグラフィックでも確認できる。
結果を明確に表すために、インフォグラフィックには「マクロン氏のほうが信頼できる」「ルペン氏のほうが信頼できる」「どちらも信頼できない」の答えのみを表示し、「わからない」「答えたくない」という回答についてはグラフに反映していない。そのため、数値をすべて足し合わせても100%にならない。
※訳注:項目は上から「雇用(失業対策)」「移民政策」「社会保障」「社会不安対策」「債務処理/国家財政」「環境問題」「税制」「経済成長」「教育」「対EU関係」「住宅問題」「対EUを除く国際関係」「諸外国に対してフランスを代表する」「国会で多数派の支持を得る」「国家と強い結びつきを生む」「物事を変える」「透明性と誠実さを体現する」となっている。
ハフポストフランス版より翻訳しました。