アメリカのドナルド・トランプ大統領は5月1日、ブルームバーグとのインタビューで、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と「適切な条件の下であれば」会談する用意があると述べた。
「彼と会うのが適切であれば、間違いなくそうするだろう。名誉なことだ」と、トランプ氏は大統領執務室で話した。「繰り返すが、適切な状況の下であれば、だ。しかし私はそうするだろう」
「政府高官の大半は絶対にそんなことは言わない」と、トランプ氏は金正恩氏との会談について指摘した。「しかし適切な状況下であれば彼に会うと言っておこう。ニュース速報だな」
ワシントン・ポストによると、トランプ氏は「適切な条件下」が何を指すかは明言していない。ホワイトハウスのショーン・スパイサー報道官は、トランプ氏の発言が「適切な条件の下」であれば会談する用意があるという点を強調した。
「私たちは、北朝鮮が生産活動を即時停止するかどうかを見ている」とスパイサー報道官は語った。「状況は数多くある。そうした活動に伴って起きるべくして起きることや、誠意を見せることなどだ。はっきり言って、条件は今整っていない」
トランプ氏はこのところ、金正恩氏に関する発言が相次いでいる。
トランプ氏は4月30日、CBSのニュース番組「フェイス・ザ・ネイション」で、ジョン・ディッカーソン氏とのインタビュー中に金正恩氏を「頭の切れる人物だ」と言い、称賛した。
「彼はまだ26歳か27歳の若さで父親を亡くし、権力を引き継いだ。 彼はかなりタフな相手とやりとりしている」と、トランプ氏は語った。
「彼の叔父や他の多くの人間が、彼の権力を奪おうとしたに違いない」と、トランプ氏は続けた。「そして彼はやってのけた。頭が切れる人物に違いない」
トランプ氏が称賛した絶対的指導者は、金氏だけではない。彼はトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領に、不正操作の疑いがあるにもかかわらず、大統領の権限を大幅に強化する憲法改正を問う国民投票の勝利を祝福した。彼はまた、29日にフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領をホワイトハウスに招待する意向を表明した。ドゥテルテ氏は「人権はどうでもいい」と発言し、何千人もの人々を超法規的に殺害するよう命じたことで非難されている。
もっとも顕著なのは、トランプ氏を勝利させるために、アメリカ大統領選に干渉するようサイバー攻撃に命じたと言われているロシアのプーチン大統領との関係だ。ジェフ・セッションズ国務長官や元国家安全保障顧問マイケル・フリン氏など、トランプ陣営のメンバーは、ロシア政府に不適切な接触をしたとして非難されている。
プーチン氏の対応はすばらしい。私はいつも、彼はとても頭がいいとわかっていた!
とはいえ、トランプ氏の金正恩氏への称賛は、これまでの独裁者に対する接し方とは全く対照的だ。インタビュー中、トランプ氏は核兵器計画と繰り返されるミサイル実験に対し、北朝鮮に対する軍事行動の可能性も否定していない。
北朝鮮は今日ミサイル発射に失敗したが、中国と、尊敬されている国家主席の希望を踏みにじった。悪いことだ!
ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。
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