巨大氷山、タイタニック号が沈没した航路に出現(動画)

「本当にたくさんの氷山が漂着しています」

カナダ・ニューファンドランド島の町フェリーランドに人目を引く訪問者が現れた。巨大な氷山が出現し、小さな町は観光客の人気スポットとなった。

カナダの通信社「カナディアンプレス」によると、周辺地域はこの時期、氷山が漂着することで知られているが、週末にかけて数百人の人々が氷山を見ようと押し寄せたとという。

「本当に巨大です。それも間近で見られるのでいい写真を撮ることができます。過去にこの辺りで見た中では最大級ですね」と、フェリーランドのエイドリアン・カヴァナー町長は語った。

GREG LOCKE / REUTERS

この氷山は、海面上からでも15階建てビルに相当する高さがあるが、氷山全体の大きさからするとわずか10パーセントでしかない。

氷山の観光会社「アイスバーグ・クエスト・オーシャン・ツアーズ」代表のバリー・ロジャーズさんはニューヨーク・タイムズ紙に「氷山がどれほどの大きさか、ほとんどの人がはっきりと掴めていません」と語った。

陸から見るのと 同じくらい、空から見ても印象的だ。

CTVニュースによると、「氷山シーズン」は通常4月から始まるが、2017年は特に数が多いという。北大西洋の航路上ですでに615個以上の氷山が観測されている。2016年は、4月から9月のシーズン終了までに合計で687個が観測された。

カナダ沿岸警備隊のレベッカ・アクトンボンドさんはカナダ放送協会(CBC)に、「本当にたくさんの氷山が漂着しています。氷山チャートを見れば信じられない数だというのがおわかりになるでしょう」と語った。

「通常、5月末~6月になるまでこれくらいの数になりません。今目にしている数は、本当にすごいと言えます」

専門家は、「グリーンランドで氷床から分離した氷山が、めったに起きない反時計回りの強風によって南に漂流している」と考えている。また、CBCは地球温暖化が影響している可能性も指摘した。

これらの流氷は、1912年4月14日に氷山に衝突し翌15日未明に沈没、1500人の犠牲者を出したタイタニック号の事故原因となった氷山と同じ航路を漂流している。タイタニック号の沈没現場からフェリーランドまでは400マイル(約650キロ)も離れていない。

GREG LOCKE / REUTERS

ニューファンドランド・ラブラドール州の観光情報によると、フェリーランドは絶滅した先住民ベオサック族の居住地のひとつとされている。またフェリーランドには17世紀、アヴァロンという名の植民地が建設され、その跡地は現在発掘中だ。現在フェリーランドはバードウォッチング、ホエールウォッチング、そしてもちろん氷山ウォッチングの人気スポットとなっている。

「私たちの州に来てくれる観光客を歓迎します。特に氷山を見物に来てくれるのは嬉しいことです」。とラブラドール州のFacebookページに記載されている。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

▼画像集が開きます

(スライドショーが見られない方はこちらへ)

関連記事

|

注目記事