エマニュエル・マクロン氏(左)とマリーヌ・ルペン氏。CHRISTIAN HARTMANN / REUTERS
フランス大統領選は4月23日、第1回投票が行われ、出口調査の結果から中道・無所属で政治運動「アン・マルシュ!」を率いるエマニュエル・マクロン氏と、極右政党「国民戦線」党首マリーヌ・ルペン氏が5月7日の決選投票に進出する見通しとなった。
調査会社「イプソス・モリ」の集計によると、マクロン氏は得票率23.7%で首位となり、ルペン氏が21.7%で続いた。公式結果は現地時間の23日深夜になる見通し。
他の出口調査では、マクロン氏とルペン氏は首位で並んでいる。
結果は接戦となり、フランス政治が劇的に変動したことを象徴する結果となった。マクロン氏、ルペン氏ともに、戦後のフランス政治を支配してきた左派の社会党、そして右派の共和党といった主要政党以外の候補者として決選投票に臨む。
この数カ月の世論調査の結果では、決選投票でルペン氏はマクロン氏に敗北する見通しだ。マクロン氏は左右両派の反ルペン票を集約させ、26ポイントほどの大差をつけて勝利するとみられている。
保守・中道の統一候補フランソワ・フィヨン氏はマクロン氏、ルペン氏の次点となり、決選投票ではマクロン氏に投票すると表明した。また、自身の支持者に対して同様にマクロン氏に投票するよう呼びかけた。
社会党のブノワ・アモン氏は主要候補の中でも大幅に差をつけられ、早々に敗北を認めたが、「左派は死んでいない」と述べ、支持者に対しマクロン氏に投票するよう求めた。
アメリカ大統領選で、クリントン氏はトランプ氏に2〜3ポイントリードしていた。
イギリスのEU離脱を問う国民投票では、残留派が離脱派を1〜2ポイントリードしていた。
フランス大統領選の決選投票で、マクロン氏はルペン氏に26ポイントリードしている。
マクロン氏は、政界では比較的新顔となる。2014年に投資銀行家から政治家に転身し、今回の大統領選に立候補表明するまで、社会党のフランソワ・オランド大統領政権下で経済相を務めた。
ルペン氏にとって、大統領選は極右政党の国民戦線を主流派にしようとする最後の試金石となる。
ルペン氏は父ジャンマリ・ルペン氏から2011年に党首の座を引き継いで以来、党のイメージを一新しようと務めてきた。ジャンマリ・ルペン氏は2002年の大統領選第1回投票で16.86%を獲得して決選投票に進出したが、ジャック・シラク氏に大敗した。
ルペン氏とマクロン氏の間では、欧州連合(EU)の将来や、EU内のフランスの立ち位置などのビジョンが完全に異なっている。ルペン氏がEU離脱を求めているのに対し、マクロン氏はEU加盟28カ国とのより緊密な連携を訴えている。23日の結果を受け、決選投票では、フランスのEU離脱を問う国民投票の是非も争点となる可能性もある。
「フランス国民は変化を求めていることを意思表明した。私たちは、フランス政治史の新たな1ページを開こうとしている」と、マクロン氏は初期の出口調査結果を受けて、AFP通信に対する声明でこう述べた。
第1回投票は11人の候補者で争われたが、マクロン氏、ルペン氏の上位2人が5月7日の決選投票に臨むことになる。
ハフィントンポストUK版より翻訳・加筆しました。