41年間連れ添った亡き妻を思い、同じコーヒー缶とスプーンを使い続ける男性

41年間連れ添ってきた妻が2012年に皮膚がんで他界したあと、デイヴィッド・ホスキンスさんは荷物をまとめ、彼の娘と一緒に近くのケンタッキー州ハザードに引っ越した。ホスキンスさんの荷物は多くなかったが、あるものを2つ、引っ越し先に持って行った。

41年間連れ添ってきた妻が2012年に皮膚がんで他界したあと、デイヴィッド・ホスキンスさんは荷物をまとめ、彼の娘と一緒に近くのケンタッキー州ハザードに引っ越した。

ホスキンスさんの荷物は多くなかったが、あるものを2つ、引っ越し先に持って行った。妻カレンさんが病気になる前に購入した最後のコーヒー缶と、毎朝コーヒーをかき混ぜるのに使っていたスプーンだ。

それから5年後、66歳になった彼は、その2つを今も毎日使い続けている。

「コーヒー缶と一緒に写っている父の写真を見ても、父が残した母の遺品がそれだけだなんて、誰も思いはしないでしょう」

娘のキム・ホスキンス・フィールズさんは4月15日、最近急速に広まったFacebookページ「Love What Matters」にコメントを投稿した

キムさんが記したコメント全文は以下の通り。

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父が母を愛していないと疑ったことなんて、一度たりともありません。

キッチンで一緒にダンスを踊ったり、病気で苦しむ母を必死で助けようとしていた父を見ていれば、一目瞭然です。そして母が亡くなった時、父は必要なものだけをまとめ、いらないものは処分して引っ越しました。

コーヒー缶と一緒に写っている父の写真を見ても、父が残した母の思い出の品がそれだけだなんて、誰も思いはしないでしょう。病気になる前に購入した最後のコーヒー缶と、コーヒーをかき混ぜるためにいつも使っていたスプーンだけだなんて。

父は、その2つを毎日使っているんです。コーヒーが切れると新しく買ってきて、その缶に詰め替えます。スプーンは決して取り替えようとしません。なぜなら、コーヒーをお供に1日の始まりを迎えるのが、彼らの日課だったからです。父は、毎日母と一緒にコーヒーを飲んで1日を始めていたのです。

4月13日、彼らは41年目の結婚記念日を迎える予定でした。その日はきっと朝のコーヒーから始まり、キッチンでダンスをして終わることだったでしょう。愛する人が自分の痕跡として残したものが、たとえ古いコーヒー缶とスプーン1本だったとしても、それと同じくらいシンプルなものだったとしても、1日の始まりはそれなしには迎えられない……それほど誰かに愛されてみたいと、誰もが思うのではないでしょうか。

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ハフィントンポストUS版のインタビューの中でキムさんは、マックスウェルのコーヒー缶(少なくなったら補充するそうだ)とスプーンは、家庭内でとても神聖なものだと語った。

「新しい家に荷物を運び込んだ時、絶対にコーヒー缶を捨てたり、中のスプーンに触ったりしないように父は言いました。他のスプーンと混ざって分からなくなってしまうのが嫌だったのでしょう」

「その時私はちょっと笑って、『なぜ?』と尋ねました。すると、コーヒー缶とスプーンがあると母を身近に感じることができ、毎朝そこに母がいてくれるような気持ちになるからだと答えました」

6人の子ども(ホスキンスさんの連れ子2人を含む)を持つ夫婦にとって、ふたりきりの時間を過ごすことは簡単ではなかった。だからこそ毎朝彼らはコーヒーを楽しむ時間を作ったのだ。

「私がまだ幼い頃、母は仕事のためにかなり朝早く家を出ていましたが、その時も父は一緒に起きてコーヒーを飲んでいました」。キムさんはそう語った。

孫の1人と一緒に写るデイヴィッドさんと娘のキムさん。(KIM HOSKINS FIELDS)

【訂正】2017/04/20 14:48

当初、記事のタイトルを「亡き妻思い、同じコーヒー缶とスプーンを41年間使い続ける男性」としていましたが、記事内に書かれている事実と異なるため、「41年間連れ添った亡き妻を思い、同じコーヒー缶とスプーンを使い続ける男性」と修正しました。

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ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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