自分の犯した罪と向き合い、刑務作業などを通じて更生を目指す。そんな場所であるはずの刑務所で、自作のパソコンを天井に隠し、ポルノ画像を楽しむ不届きものがいた。
CNNによると、アメリカ・オハイオ州の刑務所で2015年、トレーニング部屋の天井に隠された2台のパソコンが見つかった。このパソコンは、2人の受刑者が手薄な監視の目を盗んでつくったものだ。しかし、一体どうやったのか。
受刑者らは、更生の一環として、古い電子機器を解体し、リサイクル部品を回収する刑務作業を担当。ここで入手した部品を使って、自分たちのパソコンをつくった。更生を目的としたプログラムが、完全に裏目に出てしまった。
パソコンを調べると、別の受刑者の情報を使ったクレジットカードの申し込みや、ポルノ画像、薬物や爆発物の精製方法に関する記録などが見つかった。受刑者は、刑務所を管轄する州保護矯正局(ODRC)のネットワークに不正アクセスしていた。
BBCによると、事態が発覚したのは、刑務所が管理しているアカウントの一つで、1日分の許容限度を超えてインターネットが使用されていることを知らせる警告が出たのがきっかけだった。ところが、このアカウントの契約者は、警告が出た日に出勤していなかった。
こうしたことから、刑務所のIT職員らが使用されたインターネットの受信元について調べを進めた結果、天井へと延びるネットワークケーブルを見つけた。事案の報告書には「天井のタイルを取り外すと、ベニヤ板の上にのった隠されたパソコンを見つけた」と、当時の様子が記録されていた。
報告書によると、受刑者2人は、パソコンを組み立てて天井裏に隠したことを認めた。このうち1人は、刑務所内の監視が手薄だったため、パソコンを運ぶことができたと話しているという。
オハイオ州保護矯正局は声明で、「受刑者に意味のある更生プログラムに参加する機会を与える一方で、技術の使用に対して必要な保護措置を講じることは極めて重要だ」で述べたと、BBCが報じた。
■関連画像集「バーミンガム刑務所で暴動」
【※】スライドショーが表示されない場合は こちら。