アメリカのドナルド・トランプ大統領は4月12日付のニューヨーク・ポストのインタビューで、保守系ニュースサイト「ブライトバート」元会長で、大統領首席戦略官のスティーブ・バノン氏の更迭を示唆した。
トランプ氏は、上級顧問の一人であるスティーブ・バノン氏を全面的に支持する発言を避け、大統領選でバノン氏が果たした貢献を過小評価する見解を示した。
ニューヨークポストのコラムニスト、マイケル・グッドウィン氏が、トランプ氏に「まだバノン氏を信頼しているか」と質問したが、大統領はイエスと答えなかった。そして、2016年8月からトランプ氏の選挙キャンペーンを率いたバノン氏について、「良い時に良い場所にいた」と発言した。トランプ氏は11月、白人至上主義者と批判されていたバノン氏をホワイトハウスの上級顧問に任命した。
「スティーブのことは好きだが、彼が選挙キャンペーンに加わったのは極めて後の時期だ。それを覚えておいてほしい」と、トランプ氏はグッドウィン氏に語った。「スティーブが参加したときには、すでに(共和党の指名候補を争っていた)全ての上院議員や州知事たちを倒していた。スティーブのことは知らなかった。自分の戦略は自分で立てる。邪悪なヒラリーが相手だろうと、自分の戦略を変えるつもりはなかった」
バノン氏は、ホワイトハウス内でトランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー氏と対立していると伝えられている。この2人の政治手法や哲学は水と油だ。バノン氏は「行政国家の解体」を目指すイデオロギー的な活動家だが、クシュナー氏は最近まで民主党支持者だった。
バノン氏は5日、クシュナー氏の進言で国家安全保障理事会(NSC)のメンバーから外された。また、トランプ氏はニューヨークポストに、クシュナー氏とバノン氏の対立について、「見解の相違を解決する必要がある」と警告したと述べた。
「スティーブはいい奴だ。2人には、自分たちでかたをつけるよう指示した。それが出来なければ私がやるまでだ、と言っている」と、トランプ氏は語った。
ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。
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