サンクトペテルブルク地下鉄爆発、テロ容疑で捜査 死者11人に

プーチン大統領は「すでに特殊部隊の責任者と話し、彼らに原因究明を急がせている」と語った。
Russian President Vladimir Putin, left, lays flowers at a place near the Tekhnologichesky Institut subway station in St.Petersburg, Russia, Monday, April 3, 2017. A bomb blast tore through a subway train deep under Russia's second-largest city Monday, killing several people and wounding many more in a chaotic scene that left victims sprawled on a smoky platform. (AP Photo/Dmitri Lovetsky)
Russian President Vladimir Putin, left, lays flowers at a place near the Tekhnologichesky Institut subway station in St.Petersburg, Russia, Monday, April 3, 2017. A bomb blast tore through a subway train deep under Russia's second-largest city Monday, killing several people and wounding many more in a chaotic scene that left victims sprawled on a smoky platform. (AP Photo/Dmitri Lovetsky)
AP/PA Images

ロシア・サンクトペテルブルクで4月3日、中心部を走る地下鉄2号線のセンナヤ広場駅から技術大学駅に向かう車両内で爆発が起き、これまでに11人が死亡、45人が負傷した。

ロシアのインターファックス通信によると、爆発は現地時間午後2時40分(日本時間午後8時40分)ごろに発生した。捜査当局は爆発は事前に計画された自爆テロの可能性があり、中央アジア出身のイスラム過激派と関連のある23歳の男を容疑者とみている。男の画像をとらえた監視カメラで、分析を急いでいる。

ウラジミール・プーチン大統領は爆発発生時、サンクトペテルブルクでベラルーシのアレクサンダー・ルカシェンコ大統領と会談する直前だった。

プーチン大統領は、爆発のニュースが流れた直後、予定通りルカシェンコ大統領との会談に臨み、共同会見で「すでに特殊部隊の責任者と話し、彼らに原因究明を急がせている」と語った。ドミトリー・ペスコフ報道官によると、プーチン氏はテロの現場に花を手向け、その後、サンクトペテルブルクを離れたという。

技術大学駅の外に花を手向けるプーチン大統領。GRIGORY DUKOR / REUTERS

サンクトペテルブルクから、通勤客たちが爆破された車両から逃げている画像や動画がSNS上にアップされた。車両の側面には爆発で巨大な穴があき、金属片がホーム内に飛び散った。

サンクトペテルブルクの地下鉄で爆弾テロ

車両に閉じ込められた乗客たちは窓ガラスを叩き割っていた。ロシアのテレビ局は、多くの人たちがガラス片や金属片で負傷したと報じた。

インターファックス通信によると、この爆発装置は、スーツケースに入れて地下鉄に持ち込まれた榴散弾の詰まった即席爆発装置だと報じた。

センナヤ広場駅の外で負傷者を搬送する救急隊員。STRINGER . / REUTERS

ロシアの反テロ対策委員会は、他の地下鉄の駅でも爆弾が発見されたが、爆発せず、無事に解除されたと語った。

サンクトペテルブルクの地下鉄は、午後3時40分に全駅を封鎖し、乗客や職員らを避難させた。

現場にいたレオニド・チャイカさんは、負傷者の多くが血を流しながら避難しようとしていたところを目撃した。

「煙が立ち込め、大勢の人がエスカレーターに殺到しました。彼らは血を流していて、血にまみれた顔を他の人の服に覆ってもらっていた人もいました。多くの人が泣き叫んでいました」と、チャイカさんはロイター通信に話した。

サンクトペテルブルク市内で働いているアメリカ人のリック・メイシーさんはBBCに、爆発した車両から3両離れた車内にいて、爆発音を聞いたと話した。

「とても恐ろしい。車掌に何かが起きたのか教えてもらおうと思ったのですが、彼は声がこわばっていました。爆発音を聞いて列車から降り、駅から出てきました。怖かったです。私のアパートに近い通りの外では、多くの人が家に帰ろうと急いでいました。私たちは爆発現場の駅があるペトログラツカヤ地区のすぐそばにいるのですが、無事でよかったです。今晩は家にいるつもりです」

技術大学駅の構内

サンクトペテルブルクは、ロシア西部の主要都市で、500万人以上が住んでいる。GOOGLE MAPS

サンクトペテルブルク地下鉄の爆発による負傷者が街の中心部からヘリコプターで搬送される。

ロシアは以前から公共交通機関へのテロ攻撃に見舞われてきた。

ロシア南部のボルゴグラードでは2013年10月21日、バス車内で自爆テロが発生し、7人が死亡した。12月29日には、地下鉄とバスで相次いで自爆テロが発生し、34人が死亡した。

首都モスクワでは2010年3月29日、地下鉄サコーリニチェスカヤ線ルビャンカ駅とパルク・クリトゥーリ駅で相次いで自爆テロが発生し、40人が死亡、100人が負傷した。

救急車などの緊急車両が数十台、駅の外に集結する。STRINGER . / REUTERS

技術大学駅の入り口、携帯電話で泣きながら話す女性。PETER KOVALEV VIA GETTY IMAGES

センナヤ広場駅の外、救急隊員の手当を受ける負傷者

ロイター通信によると、現在モスクワの地下鉄でも、テロ攻撃に備えて追加の安全対策に取り組んでいるという。

ハフィントンポストUK版より翻訳・加筆しました。

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