DISNEY
エルサとアナ、姉妹の愛と成長、そして恐怖に負けずありのままの自分を受け入れるエルサの強さを描いた映画「アナと雪の女王」。
子供も大人も共感し、大ヒットしたこの映画は、実は一番最初は全く違う内容だったという。プロデューサーのピーター・デル・ヴェッチョ氏が、エンターテイメント・ウィークリー誌に明かした。
一番最初のストーリーでは、エルサは妹思いの女王でもなければ、王族でもなかったそうだ。
そのままだったら、「アナと雪の女王」は一体どうなっていたのだろう。デル・ヴェッチョ氏によると……。
■エルサは恐ろしい悪役だった
ある男性によってひどく傷つけられたエルサは、自分の結婚式で自らの心臓を凍らせてしまい、誰も愛せなくなる。そして悪役になって街を襲うという設定だったそうだ。
■エルサとアナは、王族でもなければ姉妹でもなかった
デル・ヴェッチョ氏はこう語っている。
「最初、アナとエルサは姉妹でもなければ、王族でもなかったんだ。アナはお姫様じゃなく、エルサは自称・雪の女王。だけど女王といっても、アンデルセンの童話にでてくるようなひどい悪役の女王だった。
悪い女王と純粋なヒロインの物語で、エンディングで悪い女王がつくった雪のモンスターと、壮大な闘いを繰り広げるという話だったね」
■エルサはアナに説得されて、王国を救う。すると……。
おびただしい数の雪のモンスターを使って、王国を襲おうとするエルサ。それをハンスが雪崩を引き起こして防ぐ。ところが雪崩は、街全体をも危険に陥らせる(ハンスは、街の安全など気にしていない)。
アナはエルサに、特別な力を使って街を助けて欲しいと助けを求める。アナに説得されたエルサが街を助けると、凍っていたアナの心が溶ける。
■ 凍った心を溶かすのは「男性からのキス」?
眠れる森の美女や、白雪姫。永遠の眠りについてしまったお姫様を救うのは、いつも王子さまのキスだ。
だけど、クリス・バック監督は凍ってしまったアナを救うのが「そんなありきたりの形の真実の愛でいいのだろうか?女性を救うのがいつも男性でいいのだろうか?何か別の形にできないか?」と考えた、とデル・ヴェッチョ氏は語っている。
その結果生まれたのが、最終バージョンのエンディング。
エルサを刀で斬りつけようとしたハンスからアナはエルサを守ろうとするが、その瞬間アナの身体は凍り付いてしまう。自分を犠牲にしたアナをエルサが泣きながら抱きしめると、凍っていたアナの身体は元に戻る。
互いを思う姉妹の愛がアナを救うという設定は、これまでのディズニー映画にはない展開だ。
オリジナルのストーリーを変えた理由を、デル・ヴェッチョ氏はこう語っている。
「我々は、最初のストーリーに満足できませんでした。エルサに思い入れを持てなかったし、ストーリーの中でほとんど悪役のエルサは、あまり大切にされていなかった。あまり引き込まれるストーリーじゃなかったし、登場人物にも共感できませんでしたね」
元々のストーリーから大きく変わった「アナと雪の女王」。あなたはどちらが好き?
ハフィントンポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。