宮古島市議会は3月21日、「自衛隊が来たら婦女暴行事件起きる」とFacebookに投稿し、後日削除した石嶺香織市議(36)に対する辞職勧告決議を賛成多数(賛成20、反対3、欠席1)で可決した。石嶺氏は、既に投稿を謝罪・撤回しているとした上で「私は市民が選んでくれた議員であると自覚している。決して議会が選んだ議員ではない。辞職勧告を拒否する」と述べた。琉球新報などが報じた。
■これまでの経緯は?
沖縄タイムスによると、石嶺氏は9日、自身のFacebookに「(米海兵隊から実弾射撃訓練を受けた)陸上自衛隊が宮古島に来たら、米軍が来なくても絶対に婦女暴行事件が起こる」などと投稿。「沖縄本島で起こった数々の事件がそれを証明している。宮古島に来る自衛隊は今までの自衛隊ではない」などと記した。
さらに、10日には「私が批判しているのは、自衛隊員個々の人格に対してではなく、戦争のための軍隊という仕組みに対してです」と釈明。「『絶対』という表現を使ったことは不適切でした。訂正いたします」などと再投稿した。
2つの投稿には批判が殺到し、石嶺氏は12日までに投稿を削除。「事実に基づかない表現でした。お詫びして撤回いたします。申し訳ありませんでした」などと、謝罪し、「米軍による事件事故が多発していることへの強い不安と、陸上自衛隊が海兵隊の訓練を受けていることを結びつけ、不適切な表現をしてしまいました」などと述べていた。
■決議の内容は?
産経新聞によると、決議は「投稿は自衛隊員、米海兵隊員に対する職業的差別であり、断じて許すことができない暴言と言わざるを得ず、市議会の品位を著しく傷つけるものだ」などの内容。宮古島市議会で辞職勧告決議が可決されるのは初めてだが、勧告に法的拘束力はない。
RBC琉球放送によると、石嶺氏は21日の市議会で、「今回の件について、議会が辞職勧告決議案を出すということは、不当であると考えます」「私は、議会の場でこの発言をしたわけではありません。議会の外で発言し、すでに謝罪・撤回いたしました」などと弁明した。
宮古毎日新聞によると、石嶺氏は宮古島市への陸自配備反対などを公約に掲げ、1月22日に行われた市議会補欠選挙で7637票を集め初当選した。
■ネットの反応は?
一連の報道を受け、TwitterやFacebookには、「議会の全員が市民の選んだ議員です。つまり、議会の声は市民の声」「SNSの発言が、迅速に議員辞職勧告に結び付いた裏には何があったのか?そこが、知りたい。」など、様々な意見が投稿されている。
■宮古島への自衛隊配備について
宮古島への陸上自衛隊配備計画を巡っては、2016年6月、下地敏彦市長が市議会で受け入れを表明。市民の生命財産や国土の保全、国民の安全を確保する観点から「宮古島への自衛隊配備については了解する」などと述べた。
これに対し地元住民の一部からは、「基地があると必ず標的にされる。絶対に造らせてはならない」などの批判が出ている。
▼「富士総合火力演習【2013年8月24日】」画像集が開きます▼
【※】スライドショーが表示されない場合は、こちらへ。
【関連記事】
21世紀の「琉球処分」