2017年12月末で閉園する福岡県北九州市のテーマパーク「スペースワールド」が3月17日、閉園を知らせるCMを公開した。「所信表明」と題されたCMの終盤では、閉園の悲しみを吹き飛ばすような明るい演出がされており、ネット上で話題になっている。
CM序盤では、スペースワールドが27年間の歴史を閉じるに当たって、来場者に感謝の思いを伝えるナレーションが流れる。しんみりとした雰囲気が漂うが、動画の終盤には突然男性が「なくなるヨ!」と大声で呼びかけ、従業員たちが「全員集合!」と拳を上げて答えるシーンが流れる。
ザ・ドリフターズ主演のコント番組「8時だョ!全員集合」をパロディ化した明るい演出に、ネット上では「悲しいけど最高だな」「開き直った明るいCMに笑った」といった意見が多数広がった。
スペースワールドの広報担当者がハフィントンポストの電話取材に語ったところによると、CMに出演しているのは実際に同園に勤めている従業員たちだという。このような明るい「所信表明」のCMを制作した理由について問うと、以下のように話した。
「スペースワールドはお客様に楽しんでもらうということを第一にして27年間営んで参りました。そのため、今回もお客様に楽しんでもらいたいという気持ちでこのCMを作りました」
■スペースワールド、27年間の歴史に幕
スペースワールドは1990年4月オープンした。1901年に稼働した日本初の近代製鉄所「八幡製鉄所」の遊休地に、新日鉄(現・新日鉄住金)が、福岡県や北九州市、地元銀行の出資を加えた第三セクター方式で開業させた。
宇宙飛行士の訓練を体験できる施設や、実物大のスペースシャトルのレプリカなど、宇宙をテーマにした娯楽施設が人気を呼んだ。ピークだった1997年度には年間約216万人が来場した。
2016年11月には、スケートリンクに約5000匹の魚を氷漬けにしたアトラクション「氷の水族館」に「なんて酷いことを」とネット上で批判が相次ぎ、企画を中止していた。