「果汁100%のストレートオレンジジュース」1パックを店で購入するとき、たいてい手間をかけて絞ったオレンジを思い浮かべるだろう。こんな風に。
手間をかけて熟したオレンジを手で絞る。
商品名からすれば、そう考えるのも無理はない。しかしほとんどの場合、それは事実とまったくかけ離れたイメージだ。私たちが飲む市販のオレンジジュースは、実際は巨大な機械でオレンジを粉砕して絞ったものだ。
市販のオレンジジュースの製造方法はこんな感じだ。
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市販のオレンジジュース製造工場で絞られるオレンジ。
これだけだとそこまで悪いことではないが、これだけではない。2010年のアリッサ・ハミルトン氏の著書『Squeezed: What You Don't Know about Orange Juice』によると、市販のオレンジジュースが出来上がるまでに、さらに多くの工程があるという。そしてそれは「天然」と呼ぶにはほど遠いものだ。
オレンジの旬は1年の特定の時期だけで、種類によってその時期は異なる。しかし1年中需要があるため、オレンジジュースの製造会社は長期間ジュースを保存しておかなければならない。そのため、劣化しないようにジュースを数百万リットル単位で無菌タンクに入れ、酸素を取り除いて保管する。
知っておくべきことがある。ジュースから酸素を取り除くとき、ジュースの風味や香りを生む天然の化学物質も大量に取り除かれる。フロリダ州政府柑橘局のカレン・マティス氏は2011年、ハフィントンポストUS版に次のように語った。
加工するとき、オレンジの芳香成分や皮から出るオレンジオイル、果肉など天然成分とオレンジジュースを分離させている可能性があります。ジュースが低温殺菌された後、最適な味にするため、このようなオレンジの天然成分はジュースに再び添加されます。
つまり瓶詰めされる前、ジュースは業界でフレーバーパックと呼ばれる風味と香りの後付けをしている。これは自然食品の会社ではなく、香料を扱う会社が担当している。そう、あなたの香水を作っているのと同じ会社だ。
風味を後で添加するため、オレンジ自体の味はそれぞれ違っても、そのメーカーの作るオレンジジュースはどのパックもまったく同じ味になる。さらに、各メーカーは独自の味を開発しているので、ブランドごとに異なる風味になる。
アメリカでは、成分表示に添加された風味についての記載がない。これは食品会社に法的な記載義務がないからだ(人工的な成分ではなく、果実から採ったエキスやオイルから作られているため)。これは食品に含まれる、ある種の成分と比べればそれほど恐ろしいものではないが、オレンジジュースが加工食品なのは明らかだ。
これからは自分でオレンジを絞ってジュースを作る方がいいかもしれない。
【編注・本文に記述されている製造工程や成分表示はアメリカに関するものです】
ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。
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