【森友学園】小学校の認可申請取り下げ、籠池理事長は辞任へ 長男「安倍晋三総理以下、どうぞよろしく」

籠池理事長はこの日、大阪府に対して認可申請を取り下げたことや、近く理事長を退任する意向を明かした。

4月に開校予定だった「瑞穂の国記念小学院」の認可申請が、取り下げられた。

国有地の取得経緯や認可申請などを巡る問題を巡って、大阪の学校法人「森友学園」の籠池泰典理事長が3月10日、大阪市内で記者会見した。籠池理事長はこの日、大阪府に対して小学校の認可申請を取り下げたことや、近く理事長を退任する意向を明かした。ただ、後任には長女を指名し、自らもアドバイザーのような形で学園運営には関わるという。「もちろん再申請しますよ」と、小学校開設への意欲も見せた。

「建物が九分九厘できあがって今の状態。でも今から考えると子供さん方の身の危なさ、保護者のプライバシー、まだまだ過熱するかもわからない状態、どこかで終止符を打たないと、子供さん方の行く末も気になるところでありました。苦渋の決断、涙が出る気持ちです」と話し「本当に一生懸命この学校を支えていただいた、瑞穂の国記念小学院に来られることになっていた子供さん、保護者には本当に申し訳なかった」と述べた。

政治家との関係については「私は国会の方から何も口利きもして頂いておりませんし、安倍晋三首相も昭恵夫人も何もしていただいたこともありません。講演して頂いたことはほんまもんの教育と思っております」と、安倍昭恵夫人の講演以外に便宜を図られたことはないと述べた。

鴻池祥肇・元防災担当相が現金のようなものを渡されたと記者会見したことについては、国有地の取得申し込み先を調べる段階で接触しただけと主張、取得価格を下げるよう依頼したことは「まったくない」と否定した。

一方で野党から求められている国会への参考人招致については「民間人ですんでね。この件はロッキード事件と同じですか。今のところ応じる気持ちはありません」と語った。

籠池氏は「(当初は)認可適当でやってきて、あとではしごを取っちゃった」と、大阪府や私学審議会への不満をにじませたが、大阪府への損害賠償請求については「今の段階ではそこまで考察はできておりません。でも一連の流れの事柄では、一般的にはそういうことは考えられるんじゃないでしょうか」と明言しなかった。

会見では申請先によって3種類の契約書を作成していたことについての質問が集中した。籠池理事長は「偽造ではない」と繰り返し、「実地検査前に変更申請せなあかんかったけど、バタバタとしてしまって何も出来なくなってしまった。私も設計士も施工業者もそれどころではなくなった」と釈明した。

「大阪府に経歴詐称の資料を出した」との報道について質問されると「どうして資料が流出するのかなあ」と答えず、朝日新聞や朝日放送の質問には途中から「朝日はウソを書くの。朝日はダメ」と応じなかった。

■「全保守の皆さん、日本を愛する皆さん、安倍晋三総理以下、どうぞよろしく」

会見には長男の佳茂氏も同席。最後に「全保守の皆さん、日本を愛する皆さん、安倍晋三総理以下、皆様方、森友学園の今後の行く末をどうぞよろしくお願いします」と頭を下げた。

会見で籠池理事長は、独特の復古主義的な歴史観や選民思想を随所で披露した。「先の大戦前の2.26事件の将校のことを思いました。ああ、国家のために殉ずる気持ちで頑張ってきた人たちが、指導部に抹殺された」「勝者にはいい印象、敗者には悪い印象が与えられます。ただ100年たてばひっくり返ることがあろうかと思います」と、自身の置かれた現状を、クーデター未遂で処刑された2.26事件の反乱軍将校などにたとえた。

また、教育方針について「神話から基づく瑞穂の国です。豊かな実りがある、四方を海に囲まれて、一億三千万の国民が平等に季節を感じることが出来る。おいしい水、空気、ここで育ってきた子供さん方、日本人が優れものにならないわけがない。選ばれて我が国に生まれてきた。その教育をさせていただく」と述べ「将来、勤王志士のようにがんばっていかないかん。この国を変革してもらわないかんかった」と、幕末期に尊皇攘夷を唱え倒幕に参加した武士たちに子供をなぞらえ、小学校の開設ができなかったことへの悔しさをにじませた。

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