3月8日は世界中で「女性がいない日」に? あのデモが帰ってくる

「女性がいなくなる日」、女たちはこんな形で声を上げます。

アメリカのトランプ大統領が就任した翌日の1月21日に、世界中の女性たちが、大規模デモ「ウィメンズ・マーチ」を決行したことを覚えているだろうか。

アメリカ・ワシントンD.C.のウィメンズ・マーチ

女性だけではなく、男性も女性の権利を訴え、女性蔑視のトランプ大統領に抗議するために歩いた。

そのデモを組織した団体「ウィメンズ・マーチ」が、国際女性デーの3月8日に、別のデモを呼びかけている。今度は「女性がいない日」だ。

「女性がいない日」とは何なのか。ウィメンズ・マーチはInstagramでこう伝えている。

女性がいない日。2017年3月8日。

有給の仕事も無給の仕事もやめよう。

お金を使わないようにしよう

赤い色の服を着て、団結を示そう。

無給の仕事とは、料理や掃除、子育てなど、賃金が支払われない労働。ウィメンズ・マーチは、可能であれば、賃金の支払われる仕事だけでなく、こういった無賃金の仕事も休もう、そして女性やマイノリティが経営する小さなお店やビジネス以外にお金を使わないようにしよう、と呼びかけている

つまり「女性がいない日」、女性たちが労働を放棄するという形で抗議する。

しかし、仕事を休めない女性もたくさんいる。休めば首になるような状況で働いている女性もいる。子育てや、親の介護などは1日たりとも休めない。

そういったデモに参加できない人にも、できる人にもウィメンズ・マーチが呼びかけているのが、赤い色を着て一致団結することだ。

■日本では「しんどさ」「モヤモヤ」を伝えるデモ

日本でも、ウィメンズ・マーチ東京がこのデモに賛同する集会とマーチを計画している。

ウィメンズ・マーチ東京のウェブサイトによると、日本のデモで声をあげるのは、「こんな社会は生きにくい!」と感じている人だ。

正規を希望しても非正規で働くしかない人、日本で困難な生活を強いられている外国にルーツを持つ人、暴力に悩んでいる人、性暴力を誰にも相談できずに苦しい立場にいる人、セクシュアル・マイノリティの人、保育園に落ちてつらい人、居場所がないと感じている人、生きにくいのは自分のせいだと責めてしまう人…。

そういった様々な「生きにくさ」を抱える人たちに、3月8日の集会とマーチに参加して、それぞれの立場から「しんどさ」「モヤモヤ」を共有しようと呼びかけている。男性も歓迎だ。

デモは、東京都渋谷にある東京ウィメンズプラザからスタートする。

1月のデモで女性たちがかぶった、プッシーハットの作り方も紹介されている。

1月のデモで女性たちがかぶったプッシー・ハット(REUTERS/Shannon Stapleton )

ウィメンズ・マーチ東京はなぜ今回のデモを「社会に生きにくさを感じている人が声をあげるためのマーチ」にしたのだろう。

ウィメンズ・マーチ東京実行委員会の濱田すみれさんはハフィントンポストに、次のように説明した。

「今、私たちが生きにくい理由は何なのかがよくわからない、とか、モヤモヤしているんだけど、どうしたらいいかわからない、と思う女性たちがたくさんいると感じています。そういう思いから、まずは国際女性デーに『生きにくい』ということだけでも発信できる場が欲しいということから企画しました」

また、「仕事を休もう」というのは、国際レベルでの呼びかけであり、ウィメンズ・マーチ東京の発案ではないが、実際には仕事を休めない人や、遠方に住んでいてでデモに加われない人にも、可能な範囲で加わってもらえたら、と述べている。

「これは、価値がない/低いとされてきた女性たちが担っている仕事からお休みを取ることで、どれだけの価値があるのかを社会に知ってもらおうという取り組みです。賃金の発生する仕事から休みを取ることは難しくても、この日くらいは家事から解放されて、女性デーを楽しめる女性たちが増えると嬉しいです」

「仕事を休む以外にも、お金をなるべく使わないことと、赤を身に付けて連帯することも提案されています。3つ全部のアクションをすることが難しくても1つくらいはできる女性がたくさんいるといいな、と思っています」

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