厚生労働省は、住宅の空き部屋を有料で貸し出す「民泊」の実態調査を初めて実施し、3月1日に結果を公表した。無許可営業が3割を超えたほか、東京23区などの大都市で許可を取っているのはわずか1.8%で、民泊事業への管理が行き届いていないことが明らかとなった。
民泊は、増加する外国人観光客向けの宿泊施設を確保するため、2016年4月から旅館業法に基づく簡易宿泊所として都道府県の許可を得れば、営業できるようになった。ところが、無許可営業が相次ぎ、騒音トラブルなどが問題となっていると指摘されていた。
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こうした現状を踏まえて厚生労働省は、2016年10〜12月に実態調査を初めて実施。民泊仲介サイトに登録されている全国1万5127件を対象に、旅館業法に基づく自治体の許可の有無などを調べた。
すると、30%にあたる4624件が無許可で営業をしていたことが明らかとなった。一方、営業許可を取っていたのは16.5%(2505件)にとどまった。特に、東京23区や政令市に限ると、全8200物件のうち許可を取っているのはわずか1.8%(150件)しかなかった。
そもそも、正確な住所を記載している物件がほとんどなく、全体の半数以上にあたる約8000件が、物件を特定できなかったり、現在も調査したりしている。
1泊あたりの平均宿泊料は、許可物件が1万6571円だったのと比べ、無許可は7659円で、半額以下の値段だった。
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厚生労働省は2日、ハフィントンポストの取材に対し「住宅を利用して宿泊をする『民泊』について、法整備を進めている。調査によって現状把握ができた」と話した。
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