ミズーリ州に住む11歳のジョーダン・リーヴスは、生まれつき左腕の肘から先がない。しかし彼女は、それをマイナスには捉えない。
彼女は肘の先につける義手を自分でデザインした。ユニコーンの角のような形をした義手は、ラメを噴射する特別な仕掛けがある。この義手をつけると、ジョーダンはスーパーヒーロー「ブラスト・ガール」に変身できる。
ジョーダンは2月10日にトーク番組「レイチェル・レイショー」に出演し、義手を披露した。
審査員を前に、自分デザインした義手を披露するジョーダン。審査員たちは「君はスーパーヒーローだ」とジョーダンと義手を誉め称えた。
ジョーダンの母親ジェンさんは、ジョーダンの前向きな姿勢についてこう語る。
「ジョーダンは『私は普通とは違う。だけどそれが何?』といった姿勢で生きています。私たちはみんな違います。ジョーダンの場合、その違いがわかりやすいというだけです」
ジョーダンが義手をつくるきっかけになったのは、2016年1月に参加したスーパーヒーローサイボーグ」ワークショップだ。
(BORN JUST RIGHT)
子供たちにデザインを教えるNPO団体「Kidmob」が開催したこのワークショップに招かれたのは、上肢に違いのある子供たち。
『もし君がスーパーヒーローなら、自分の違いをどうやって生かす?』と尋ねられたジョーダンは「キラキラしたラメを噴射する義手をつくる」と答えた。
そのアイデアを形にするために、3Dデザインのソフトウェアをつくる会社「Autodesk」のデザイナー、サム・ホビッシュを紹介されたジョーダン。Googleハングアウトでサムとミーティングを重ね、ラメを噴射する特別な義手を作り上げた。
(BORN JUST RIGHT)
ジョーダンの制作意欲は、留まる所を知らない。ユニコーン義手の他にも、両手で紙を引き出すペーパータオルホルダーを使いやすくする義手など、幾つかの義手のデザインに取り組んでいる。
「ジョーダンは、デザインを学んで、楽しみながら世の中に役立つことの喜びを知ったのでしょう。彼女は、他の人たちを助けることも好きなので、将来はデザイナーかデザインを教える先生になる可能性もありますね」とジェンさんは話す。
身体に違いのある子供たちが、その違いを乗り越えるための方法を学ぶ場所がもっとあって欲しい。そう願うジョーダンとジェンは、子供たちがデザインとテクノロジーを学べるNPO団体の立ち上げを考えている。「楽しくて役立つ」ものを作れる場所だ。
「ジョーダンは、違いを生かす方法を学びました。彼女の経験を通して、身体が違うことはこの世の終わりなんかじゃないということを伝えたい。
違いはうまく利用できるものなのです。それを、ジョーダンと義手が私たち全員に教えてくれました。私たちは、物事を新しい視点から捉えることができます。ジョーダンのストーリーが、新しい視点から世界を見るための助けになって欲しいと願っています」
ハフィントンポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。
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