長野県の小諸市動物園で雌のライオン「ナナ」が、女性飼育員に襲いかかって重傷を負わせた。ナナは、作家の村上春樹さんが紹介したことでも知られており、春樹ファンの間では衝撃が広がっている。
サンケイスポーツによると、2月26日午前9時半ごろ、長野県小諸市の小諸市動物園で、臨時職員の大井沙耶香さん(22)が、獣舎のおりの中で作業中、ナナに襲われた。大井さんはあごや首、腕などをかまれて重傷を負ったが、命に別条はないという。
大井さんは1人でライオンの飼育を担当し、この日は屋内を清掃することになっていた。屋内もおりで仕切られ、通常の清掃はライオンを一方に移して行う手順だったが、鉄製扉2つが事故当時も開いていたという。今回の事件を受けて、小諸市動物園は当面休園となった。
ナナは15歳で、2004年に小諸市動物園が雄1頭と一緒に多摩動物公園から譲り受けた。2014年に雄が死んでから、唯一のライオンとして飼育されていたという。スポニチによると、同園の関係者は「ナナはこれまで一度も人を襲うことはなかったのに」と困惑していたという。
■村上春樹氏「とても優しい目をしている」
村上さんは期間限定のWebサイト「村上さんのところ」で、43歳女性から「木枯らしが胸の中を吹き抜ける日」をどうすればいいのかと問われ、以下のように「ナナ」を紹介。寂しい思いをしたときは「ななちゃんのことを想いましょう」と愛情を込めて綴っていた。
僕は人生に寂しくなると、長野の小諸市動物園の雌ライオン、ななちゃんのことを思い出します。(略)ライオンが一人きりで小諸の動物園にいるというのは、ずいぶん寂しいことなんだろうなと思いました。たぶん文化的にもあわないだろうし。でもとても優しい目をしているんですよね。
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