映画監督の鈴木清順さんが2月13日、慢性閉塞性肺疾患で死去した。93歳だった。朝日新聞デジタルなどが報じた。
スポニチによると、鈴木さんは1923年生まれ。48年に松竹入り、54年に日活に移籍し、56年『港の乾杯 勝利をわが手に』で監督デビューを飾った。
1980年の『ツィゴイネルワイゼン』ではベルリン国際映画祭で審査員特別賞を受賞した。遺作となった2005年の『オペレッタ狸御殿』は、第58回カンヌ国際映画祭で栄誉上映特別作品として招待された。
他にも『肉体の門』(1964)、『けんかえれじい』(1966)、『夢二』(1991)など、独特の映像美で知られた。
日刊スポーツによると、2017年アカデミー賞で歴代最多タイの13部門で14ノミネートされているミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』の デイミアン・チャゼル監督は以下のように語っている。
言われてみれば、絵コンテの段階から入っていたかも知れないなぁと思うのは、鈴木清順さんの「トウキョウドリフターズ(東京流れ者)」。非常にワイドで撮っているところとか、ポップアートのような色合いとか、非常にミュージカル的なんですけども、銃が入っているミュージカル。もしかしたら多分、これが隠れたオマージュであり、少なくとも米国では誰も、この映画について言及していません。
(日刊スポーツ『「ラ・ラ・ランド」監督、渡哲也主演映画オマージュ』 2017/01/27)
また、鈴木さんはTVアニメ作品も手がけ、『ルパン三世』第2シリーズの監修のほか、ルパンシリーズの劇場映画第3作『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』では監督を務めた。
97年に47年連れ添った前妻を亡くし、2011年に48歳年下の女性と再婚している。
元NHKアナウンサーで、『クイズ面白ゼミナール』の司会者だった鈴木健二さんは実弟。
(スライドショーが見られない方はこちらへ)