北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏が2月13日にマレーシアで殺害されたと報じられた事件。
マレーシアのスター・オンライン紙の2月15日の報道によると、マレーシアの現地警察は、死亡したのが金正男氏だと確認した。韓国統一省も15日、「金正男氏で間違いない」と断定した。
同紙は、死亡当時の詳しい状況も伝えている。
それによると、金正男氏は2月13日午前、クアラルンプール国際空港第2ターミナルでマカオへ出国する直前、「出発ロビーで2人の女に後ろから頭を押さえられ、顔に薬品のような液体をかけられた」と訴えたという。空港の医療施設に運ばれたときは頭痛を訴えていたが、医療施設で発作を起こし、救急車で病院に運ばれる途中に死亡した。
ロイターロイターによると、正男氏は空港のカウンターに「助けてくれ」と駆け込んだという。現地警察は、正男氏が46歳の「キム・チョル」名義のパスポートを所持していたとしており、死因は不明だとしている。
2人の女はタクシーで逃走した。スター・オンラインは、北朝鮮当局が遺体の引き渡しを求めたが、警察当局は「司法解剖が先だ」と述べたという。
金正男氏は、故・金正日総書記と2番目の妻の間に生まれた長男で、金総書記から気に入られていたと言われるが、2001年に日本の成田空港で偽造パスポートを持っていたとして強制送還されてからは、マカオや東南アジアでたびたび目撃されており、家族とマカオに住みながら海外を点々としていたとみられる。聯合ニュースによると、2009年に平壌で、2010年に北京で、それぞれ暗殺されかけたが逃れたことがあるという。
韓国の北朝鮮専門家は「北朝鮮の偵察総局が直接関与した」(鄭成長・世宗研究所統一戦略研究室長)とみており、黄教安・大統領代行は15日午前、国家安全保障会議(NSC)を開いて対応を協議する。
【UPDATE】2017/01/15 11:15
テレビ朝日は15日、「複数の日本政府関係者」の情報として、金正男氏殺害に関わった女2人が「既に死亡した可能性が高い」と伝えた。
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