弱冠22歳で、アメリカ航空宇宙局(NASA)が開発中の大型打ち上げロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS)」を設計している女性がいる。
彼女の才能を開花させたのは「クーポン」だった。
アカデミー賞3部門にノミネートされている「Hidden Figures」は、1960年代に、アメリカの宇宙飛行士として初めて地球の軌道上を3周したジョン・グレンを、影で支えた3人のアフリカ系アメリカ人女性を描いた話だ。
現在、NASAでこの3人と同じように活躍しているのが、22歳のティエラ・グインだ。
ティエラはまだマサチューセッツ工科大学(MIT)の学生でありながら、NASAが「世界で最も強力なロケット」と呼ぶSLSのデザインと部品の分析を担当している。彼女の母がティエラの才能に気付いたのは、まだ彼女が幼い時だった。そして、それはスーパーマーケットだったという。
「母はスーパーに買い物に行くと、私にクーポンを切り抜かせてクーポン整理箱に入れさせました。そして私はレジに着くまでの間に、買い物の合計金額をすべて計算しなければなりませんでした。税金も含めた金額です。それを6歳の頃からやっていました」と、ティエラはテレビ局WBRCのインタビューで答えた。
「ある日空を見上げると、飛行機が飛んでいるのが見たんです。それを見て『私も飛行機をデザインできる。航空宇宙エンジニアになろう』と決意したんです」
そこから彼女の努力が始まった。中学校では航空宇宙エンジニアになるための授業を選び、高校は片道1時間かかる学校に通った。
間もなくMITの卒業を控えているティエラは、彼女と同じ道を目指す女の子たちにこう語りかける。
「夢を持ち、それを叶えることを楽しんで下さい。どんなことがあっても、諦めないで。どんなに大変なことがあっても、どんなに涙を流しても、前に進まなければいけません。簡単に叶えられることなんてない、と理解しておく必要があります。目的から気持ちをそらさないでください。そうすれば、夢をかなえることができるです」
MITをオールAで卒業するような人物でも、夢をかなえるためには涙をこらえるような努力が必要だった、ということがティエラの言葉から感じられる。
Hidden Figuresは、ティエラの一番好きな映画だという。この映画と同じように、ティエラの活躍は「科学や技術の分野に進みたい」と願う多くの女性に勇気を与えてくれるだろう。
ハフィントンポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。
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