温泉マークの使用続行へ 旅館の反対に配慮、国際規格と併用に

経産省の検討委は、温泉マークについて国際・国内規格のどちらも使えるよう認める方針を決めました。

経済産業省は1月31日、東京オリンピックに向けて外国人にも分かりやすい案内表記を検討する委員会を開き、国際規格への統一を考えていた「温泉マーク」について、現在の国内規格とどちらも使えるよう認める方針を決めた。温泉地の旅館などが国際マークへの一本化に反対したため、配慮した形だ。

時事ドットコムによると、経産省は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックで外国人観光客が増えることを想定し、案内板などに使われるマークを国際標準に合わせることを検討。3人が湯船に漬かる新しいマークを提示したが、温泉旅館などが「なじみのマークを変えないでほしい」と反発していた。

31日の委員会では、経産省が併用案を提示。これに対して委員から「外国人に分かりやすい国際規格が良い」とする意見が出た一方で、「温泉は日本の文化であり、日本古来のマークを尊重すべきだ」と従来のマークを優先して使うべきだと訴える指摘もあったと、共同通信が報じている。こうした状況を踏まえ、2つのマークの併用が望ましいという考えで一致した。

大分合同新聞によると、2016年12月に開かれた検討委員会では、出席した大分県の別府・湯布院などの関係者が「温泉地や温泉ファンにとって象徴的な存在」「日本の温泉文化として世界に広げてほしい」などと現行のマークの存続を要望。これに対して異論はなく、存続する方向になっていた。

経産省は、近くパブリックコメント(意見公募)を実施し、3月に開く会合で最終案を決定する。委員会のアンケート調査で、外国人観光客には分かりにくいという結果が出ていたことも踏まえ、外国人観光客が多い宿では国際マーク、日本人観光客が多い宿では日本のマークといった使い分けをするよう推奨する方針だ。

■関連画像集「行ってよかった! 日帰り温泉 2015」


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