アメリカのトランプ大統領令施行による混乱と難民らの拘束に対して、アメリカのニューヨーク・タイムズなどの主要メディアは批判の声を上げている。
こうした批判に対してトランプ大統領は1月29日以降、Twitterを何度も更新して正当性を主張、ニューヨーク・タイムズを名指しで批判し「誰かが買収するか、廃刊にすべきだ」と罵倒した。
ニューヨーク・タイムズは、トランプ大統領令について、28日の社説(紙面では30日)で「難民に対する残酷な措置であり、テロリストに対してアメリカを攻撃する口実を与えるものだ」として厳しく批判している。
一方、トランプ大統領はこの社説に激しく反応。29日朝からTwitterを何度も更新した。
トランプ大統領は「(移民を受け入れた)ヨーロッパや世界でどんな恐ろしい混乱が起きているか見てみろ」として自身の政策の妥当性をアピールするとともに、ニューヨーク・タイムズを以下のように罵倒している。
素質と信念のある誰かがフェイクニュースと堕ちたニューヨーク・タイムズを買って正しく運営するか、尊厳を持って廃刊させるべきだ。
トランプ大統領は前日にもニューヨーク・タイムズに対して、ツイートで罵倒していた。
下手を打ったニューヨーク・タイムズの私に関する報道は、一番最初から、間違っていたんだ。私が予備選でも負ける、大統領選でも負けるって言ってただろう。フェイク・ニュースめ!
■難民入国禁止令は「オバマ政権と似ている」
一方で、Facebookに掲載した声明で、トランプ大統領は今回の大統領令について、宗教に対する差別ではなくあくまでテロ対策だと強調し、「オバマ大統領の政策と似ている」とも表明している。
厳しい身元調査方針に関する最近の大統領令についての声明
アメリカは移民の国であることに誇りを持っており、我々は、抑圧されている人々への思いやりを持ち続ける。しかし、我々はまた、自国民や国境をを守る。アメリカはいつでも自由の国であり、勇敢に立ち向かう家でもある。
我々は国の自由と安全を確保する。メディアも知っているのに、それを言わない。
私の政策は、オバマ前大統領が2011年に行った、6カ月に渡るイラク難民へのビザ発給停止と似ている。私の大統領令で入国を禁じた7カ国は、オバマ政権がテロの発生源として認定したのと同じ国々だ。明確にしておきたいのは、これはイスラム教徒の禁止ではない。メディアは誤って報道しているが。
これは宗教の話ではない。これはテロ対策であり、我々の国の安全を守るためである。イスラム教が多数派を占める国々は世界中に40カ国以上あり、この大統領令とは関係がない。我々は、90日の期間が過ぎた後は、もっと安全な政策手段を再検討し実行し、すべての国にビザ発給を再開する。
私はシリアでの人道危機に関わっている人々には多大な感情を抱いている。私の最優先事項は、いつも我々の国に奉仕し、守ることだ。しかし、大統領として、危険に晒されている人々を助けるために何ができるかを探している。