韓国の国会で弾劾訴追された朴槿恵大統領が、職務停止後初めて、インタビューに応じた。
記者会見もほとんど開かない朴大統領が選んだメディアは、「極右論客」として知られる韓国経済新聞の鄭奎載(チョン・ギュジェ)主筆が運営するネット放送。
朴大統領や知人女性・崔順実(チェ・スンシル)氏らによる一連の事件を捜査している特別検事チームが、朴大統領と崔氏を「経済共同体」とみなしていることについて、朴大統領は「ねじ曲げられた、ひどくねじ曲げられた」と反論し、青瓦台が作成したとされる反政権文化人のブラックリスト事件についても「知らない」と関与を否定した。
憲法裁判所は、国会の弾劾訴追を受けた朴槿恵大統領の弾劾審判を、3月13日までに終わらせるとしており、大統領弾劾やその後に予想される大統領選のスケジュールが慌ただしく動き出している。こうした中、朴大統領がインタビューに応じたのは、保守陣営の結集や、旧正月の連休に世論に訴えることも狙ったものとみられる。
■タイトルは「朴大統領の肉声反撃」
記者会見も質疑応答もインタビューもあれほど避けていた朴槿恵大統領が、なぜ鄭奎載氏を選んだのか。
「朴大統領の肉声反撃」というタイトルがついたネット放送のインタビュー映像を少し見れば、すぐ理解できるだろう。
「極右論客」と呼ばれる鄭主筆は、終始一貫して朴大統領とほぼ心を一つにするかのように質疑応答をやりとりした。
以下は、やりとりの一部だ。
鄭主筆:今になって分かった話ですが、タブレットパソコンが改ざんされていた可能性も非常に高いということが新たに分かり…しかし大統領が(最初の記者会見で)「崔順実から一部助言を受けていた」と認めたことが、まるで、その後の無数の話をすべて認めたようになってしまいました。
朴大統領:当時、私に「韓国社会では謝ってはいけない」「間違いはあっても認めるな」と言う人もいました。でも私はそう思いませんでした。
私が少し助けてもらったのは、演説文の表現みたいなこと、広報の観点からどういう印象を持たれるか、それがすべてですが、どうしてあんなに大げさな話になったのか。私腹を肥やしたとか、これは初めて聞く話でした。それで私が知らなかったのは結局、私の不徳の致すところではなかったか、国民に心配をかけたことについて謝罪しなければならないと思ったんです。
鄭主筆:なぜ大統領は、大統領個人の倫理の問題に、若干の欠陥もあるということをあまり重く考えておられるのか。大統領として防がなければならないことを防げなかったのではないか…
朴大統領:私が(崔氏の不正を)知らなかったのは、私の不徳であり私の過ちです。そう思いました。
鄭主筆:私が見るに、崔順実が相当に神経を使って、大統領に(私腹を肥やしていたことが)ばれないようにしていたようだという感じを受けました。全然ご存じなかったのですか?
朴大統領:はい。
鄭主筆:言うなれば,今回の事件はいわゆる「陰謀」と言えるほどではなくても「誰かが裏で管理しているようだ」と打ち明ける人がとても多いんです。大統領はそんな勢力があるとお感じになりますか、あるいはただ、メディアが大騒ぎして煽られているだけだとお感じになりますか?
朴大統領:進行過程を推測してみると、何かかなり前から誰かが仕組んで管理していたのではないかという感じをぬぐえません。率直な心情としては。
鄭主筆:その仕組んだのは誰だ、というのはいますか?
朴大統領:それは今申し上げるのはちょっと。
鄭主筆:ああ、誰か具体的な人物がいることはいるのですね。
ハフィントンポスト韓国版に掲載された記事を翻訳しました。
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