アメリカン航空(AA)は1月24日、2017年に新たに導入する「ボーイング737マックス」100機に機内エンターテイメント用のモニター画面を装備しないと発表した。CNNなどが報じた。
CNNによると、スマートフォンやタブレットを持ち込む乗客が多く、座席の背部に設置されたモニターよりも、手持ち機器を使ってもらった方がよいと判断したという。
737マックス機は、2017年後半に就航を予定。衛星を使った高速インターネット接続サービスが使え、動画配信大手のNetflixやAmazonのストリーミングサービスも利用できるようになる。
ストリーミングサービスやインターネット接続は有料とする予定だが、これまでモニターで視聴可能だったテレビ番組や映画については、機内のストリーミングサービスを通じて乗客のスマートフォンなどで視聴できるようにする。
同社は声明の中で、「数年で時代遅れになる座席のモニターよりも、優れたエンターテイメントや高速インタネットサービスを提供することに力を入れるほうが理にかなっている」とコメントしたとCNNが報じている。
また、モニターの廃止を決めた理由について「90%以上の乗客が自分の電子機器やスクリーンを持ち込んでいる。スマートフォンやタブレットは常に改良され簡単に使えるため、乗客はそちらを選んだ」と述べたと、アメリカの旅行雑誌「Travel + Leisure」は伝えている。
テレグラフ紙によると、ボーイング767機(260席)1機当たりで、座席モニターは300万ドルかかる上、そのシステム用に敷設したケーブルの重さにより毎年9万ドル相当の余分な燃料費がかかるという。アメリカン航空は、他に3つの「ボーイングマックス」機も新しく導入する予定だが、これらの機種でも座席モニターを廃止するかどうかは明らかにしていない。現行の737や777、778型機などには引き続き装備する予定という。
■モニターの廃止は他の航空会社でも
モニター廃止や高速インターネットサービス導入の動きは、アメリカ国内の他の航空会社にも広がっている。ユナイテッド航空では、一部の小型機でモニター画面の装備をやめ、無線LAN(Wi-Fi)接続サービスに切り替える。
ジェットブルー航空は1月初旬、全ての国内便で無料高速インターネットを配備したと発表。アラスカ航空も、SNS利用者に無料インターネットサービスを提供することを決めた。
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