ドナルド・トランプ大統領の就任式でショーン・スパイサー大統領報道官が「就任式に集まった人数は史上最大だった」と発言したことについて、「事実と違う」という指摘が相次いでいる。
スパイサー報道官は1月21日、会見で「就任式を目撃したのは、過去最大の聴衆だった」と記者に語った。
しかし、今回の就任式と2013年1月20日のオバマ大統領就任式で、連邦議会議事堂前のナショナル・モールに集まった人数を上空写真で比較してみると、トランプ氏の就任式は空きが目立つ。
左は2013年のオバマ大統領就任式、右は今回のものだ。
ABCニュースによると、2009年のオバマ大統領就任式には約180万人が、2013年には約100万人が集まった。ワシントンD.C.の関係者はこれまで、今回の就任式の聴衆を70〜90万人と推測している。アメリカのメディアの中には、「25万人」と言っているところもある。トランプ大統領はこれに反発し、「150万人はいた。ウソをついたメディアは高い代償を払うことになる」と批判した。
こうした矛盾を指摘する報道に対して、トランプ大統領の側近であるケリーアン・コンウェイ大統領顧問は、「オルタナ・ファクト(もうひとつの事実)だ」という言葉を使って反論した。
コンウェイ氏は、NBCの「ミート・ザ・プレス」に出演し、スペンサー報道官を擁護した。
コンウェイ氏は、ホワイトハウスのノースローン(北側の芝生)から出演し、司会者のチャック・トッド氏と以下のようなやりとりをした。
トッド: スペンサー報道官はなぜそんなことを言ったのですか? これは初日からホワイトハウスの広報全体の信用性を損なうものですよ。
コンウェイ: それは違います。そんなに大げさに受け取らないでください、チャック、報道陣は嘘だと言っていて、ショーン・スパイサーはそれについて「オルタナティブ・ファクト(もう一つの事実)」を述べたのです。
コンウェイ: ちょっと待ってください、「オルタナティブ・ファクト」? スペンサー報道官は5つの見解を述べましたよね。正しかったのは、ジーク・ミラーに関することだけです。スペンサー報道官が話した5つのうち4つは単純に事実ではありません。オルタナティブ・ファクトは事実ではありません。それはウソです。
タイム紙のジーク・ミラー記者は、キング牧師の胸像が大統領執務室から外されたと記事にした——しかし記者たちの訪問時にはカメラマンがその前に立っており、彼には胸像が見えなかったのだ。彼は後でそのミスについて繰り返し謝罪している。
「これは私の責任で、同僚のせいではありません。この間違いを正すためにあらゆる手を尽くしています。申し訳ありませんでした」と、ミラー記者はスペンサー報道官にツイートした。
「謝罪を受け入れました」と、スペンサー報道官はツイートを返している。
スパイサー報道官は23日に、記者会見で「ネットなどで見た人を含めば最大だ」と釈明した一方で、「今後はうそをつかない」と記者団に対して約束した。
ハフィントンポストUK版より翻訳・加筆しました。
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