アメリカ・ニューヨークの地下鉄駅構内で、11歳のチロ・オルティーズくん(Ciro Ortiz)が始めた小さなビジネスが話題だ。
チロくんは『Emotional Advice(感動的なアドバイス)』と書かれたダンボールのブースを作り、毎週日曜の午後、2ドルで道ゆく人々の人生相談にのっている。
ストレスフルな日々を送る大人たちの悩み相談に乗るチロくん。
この微笑ましい"人生相談"を2016年10月から始めたチロくんは、すぐにニューヨーク・ポストなど多数のメディアに取り上げられた。
人生相談が多い日は、1日に50ドル稼ぐこともあるとか。11歳の少年は、なぜ地下鉄で人生相談に乗ることを始めたのか?ハフィントンポスト日本版は1月16日、チロくんにメールインタビューを行った。
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——なぜ『Emotional Advice(感動的なアドバイス)』を始めたのですか?
お金を稼ぐことにチャレンジしてみたかったから、僕が得意な「アドバイスをすること」でなにかやろうと思ったことがきっかけだよ。
——今まで受け付けた人生相談で、一番難しかった相談はなんですか?
ある女性が、僕にとても悲しんでるって相談してきたんだ。彼女は家族から感謝されていなくて、ひどい扱いを受けてるって言ってた。
僕は彼女に、2つの選択肢を実行してみたら?とアドバイスしたんだ。1つは、これ以上彼女が傷つかないように、問題から遠ざかって、家族たちと少しずつ距離を置いてみること。2つ目のアドバイスは、家族と思い切って話をすること。強い気持ちを持って、「なんでこんなことをするの?私はみんなからひどい扱いを受けている気がする」って家族にしっかり伝えることも大事だって伝えたよ。
——この人生相談を始めてから、あなたの周りの環境はなにか変わりましたか?
ちょっとだけ有名になったかな。結構大きな変化があったと思う。あと、お金を稼げるようになった。
——人生相談で稼いだお金は、何に使っていますか?
時々だけど、ランチを買えない同級生にお金を分けてあげてる。だけど、ほとんどは自分の家族にあげてるよ。僕の家はあまりお金がないんだけど、僕が人生相談でお金を稼いでくるから、僕のために家族がお金を使わなくてもよくなった。自分のお金で買えるようになったんだ。
——学校で同級生にお金を分けてるなんて、みんなあなたのことをヒーローみたいに思ってるんじゃない?
学校の友達は僕がやってることを全然気にしてないよ!みんなゲームの「Call of Duty(コールオブデューティー)」とか歌手のニッキー・ミナージュとかに夢中だよ。学校の中だけでヒーローになるよりも、世界で役に立つヒーローになりたいかな!
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チロくんの両親によると、チロくんはとてもセンシティブな男の子で人生相談を始めた初日は緊張していたが、何回か経つと「友達がたくさんできた」と喜びながら帰ってくるようになったという。父親のアダム・オルティーズさんは、人生相談を受け付けるようになってからチロくんはとても成長した、と話している。
お客さんは、男女や人種問わずさまざま。
■関連画像集「ニューヨークに住む人々(写真:Jamel Shabazz)」
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