保育園や幼稚園などの子供施設から出る音などに対し、近隣住民から苦情が寄せられていることを踏まえ、大阪府は1月12日、対応策の手引書を公開した。施設側だけでなく、保護者や近隣住民も読んでほしいと訴えている。
府は2016年7月、有識者などからなる検討委員会を設置。府内の子供施設に実際に寄せられた苦情などを調査し、解決策の例を(1)音、(2)交通、(3)その他の3つの分野にまとめた。
寄せられたトラブルの種類の中で最も多かったのは、「送迎時における、路上での駐輪・駐車により通行に支障」という、保護者のマナーに関するものだ。次いで多かったのが、イベントなどの「練習・指導での、楽器の演奏音や歌声」や「練習・指導での放送音・拡声器の音」だった。
大阪府「子ども施設環境配慮手引書」より
通行に支障が出るというトラブルについて、手引書は「施設独⾃のルールだけでなく、一般的な交通ルールに関する苦情も寄せられている」と指摘。「違法駐車がある」などの苦情例を挙げ、保護者に定期的に、交通ルールやマナーを粘り強く周知することが重要などと解説した。
イベントの練習・指導時への苦情については、楽器の音がとても響くことを挙げ、「子どもの声は気にならなくても、楽器の⾳がし続ければ、苦情につながる可能性は高くなる」として、イベント時以外は外で楽器を演奏するのを避けるほか、施設と住宅との間に木を植える案や、イベント開催の周知を拡大することなどが紹介された。
また、大人の声にも苦情が寄せられているとして、「指導に熱が入ったり、子どもを注意しているときなどは、職員の声も⼤きくなることがあります。ときに厳しい口調になると、特に気になる⾳として聞こえるようです。さらに、言葉遣いによっては、周りには耳障りに聞こえることもあるため、注意が必要です」などと、子供施設の職員へも注意を促した。
なお、手引書は子供の声に対する特徴も紹介。子供の声の周波数が、大人の声の周波数よりも高いことから、「気になりやすい」性質があると解説した。ただし、高い音は低音に比べて吸音・遮音の効果が高いことから、施設の中でカーテンを閉めて遊ぶことや、大きい声がでやすい遊具の場所を、住宅に近い場所から離して設置するなどの対策案が挙げられた。
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