バレエは人種を超えて、全ての人のものになる。そう予感させる写真が話題に

肌の色や社会的なバックグラウンドではなく、才能や技術によって評価される時代が近づきつつあるのかもしれません。

2017年、バレエ界の伝統が更に大きく変わるかもしれない。そう感じさせる写真が話題になっている。

アメリカ・テネシー州メンフィスに拠点を置くバレエ団「カレッジ・ダンス・コレクティブ」が1月2日にInstagramに投稿した5人のバレエダンサーの写真だ。


写真は左から、ブランディ・リー、ダフネ・リー、キンバリー・ホサイ、ニッキー・テイラー、ルイサ・カルドーソ。アフリカ系アメリカ人、フランス系ギアナ人、そしてブラジルの血を引くダンサーたちだ。雑誌「Taji Magazine」がシェアすると、写真はあっという間に広まった。

バレエはヨーロッパの伝統芸術で、これまでほとんどのダンサーが白人だった。そして白人以外のダンサーたちは、仕事を得るため、花形の役を手にするために、白人ダンサーの倍以上の努力をしなければいけなかった。

バレエ界に残る時代遅れの伝統のために、黒人ら有色人種のバレエダンサーたちは、長い間主役の座に立つことができなかった。そしてそれは、バレエの質を低下させてきたといえる。

しかし、アフリカ系アメリカ人のダンサー、ミスティ・コープランドが世界最高峰のバレエ団のプリンシパル(首席ダンサー)になるなど、近年変化の兆しが現れ始めている。

「バレエダンサーといえば白人」という考えが将来はなくなるかもしれない。肌の色や性別、社会的、経済的なバックグラウンドではなく、才能や技術によって評価される時代が近づきつつある、と写真は予感させてくれる。

夢を信じて進む人たちに、未来は開ける。ー エレノア・ルーズベルト。


カレッジ・ダンス・コレクティブのマーケティングディレクター、シャリシャ・フランクリンは、踊り手たちがもっと多様になるべき理由をYahoo!ビューティーのインタビューで、こう語っている。

「私は、メディアの中だけでなく、世界中のプロバレエ団やバレエスクールに黒人ダンサーが圧倒的に少ない、という現状を危惧しています」

「この現実を見て、私たちはアクションし続けなければいけないと強く感じています。振り付けや、世界的に有名なダンサーをもっと多様にして、バレエを成長させなければいけません」

カレッジ・ダンス・コレクティブの写真に2万以上のいいね!がついていることは、変化が加速している証拠かもしれない。

バレエに携わる人たちが、何よりそれを実感しているようだ。ニューヨークの有名なバレエ団「ダンス・シアター・オブ・ハーレム」設立者の一人で、アートディレクターのバージニア・ジョンソンはマッシャブルのインタビューで、3年から5年後には、バレエを語る時に人種が大きく取りあげられなくなるだろう、と予想している。

2017年、バレエの世界にどんな変化が起こるのか楽しみだ。






ハフィントンポストUS版に掲載された記事を翻訳・加筆しました。

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