ベストセラーとなったエッセイ集『置かれた場所で咲きなさい』の著者、渡辺和子さんが12月30日、死去した。89歳。
理事長を務める岡山市の学校法人「ノートルダム清心学園」が31日、公式サイトで発表した。死因は膵臓がん。ノートルダム清心学園の担当者はハフィントンポストの取材に対し、数年前から膵臓がんを患っていたことを明らかにした。闘病の傍ら仕事も続け、9月30日までノートルダム清心女子大学の講義に立っていたほか、メディアの取材なども受けていた。
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父は台湾軍司令官や陸軍教育総監を務めた渡辺錠太郎。1936年2月26日、陸軍将校の一部らが起こした軍事クーデター「2・26事件」で、父親が反乱軍の将校らに殺害される場面を9歳のときに自宅で目撃する。
戦後、1951年に聖心女子大学を卒業。1962年にアメリカ・ボストンカレッジ大学院を終了し博士号を取得。ノートルダム清心女子大学家政学部の教授となり、翌63年には学長に就任した。マザー・テレサとは84年の来日時に通訳を務めるなど親交もあった。
『美しい人に』のほか、『「ひと」として大切なこと』『愛と励ましの言葉366日』など、キリスト教のヒューマニズムに基づいた生き方や心の持ちようを説くエッセイを数多く著し、長く読み継がれている。最近では2012年に発売された『置かれた場所で咲きなさい』がベストセラーになった。
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