ドイツは国中が哀悼の雰囲気に包まれている。
12月19日夜、ドイツの首都ベルリンで、混雑するクリスマスの市場にトラックが突っ込み、12人が死亡、48人が重軽傷を負った。犠牲者のうち6人はドイツ人だった。
捜査当局は、当初拘束していた23歳のパキスタン人の容疑者を釈放した。この男性は関与を否認していた。実行犯は逃走している可能性が高いとして、引き続き行方を追っている。
過激派組織「イスラム国」(IS)系のニュースサイト「Amaq」は20日、事件はイラクとシリアでの戦闘に関与する国々を狙った「戦士」が起こしたと、関与を認める事実上の犯行声明を出した。
メルケル首相は黒い服に身を包んで現場を訪れ、白いバラを手向けた。「ショックだ。動揺し、深い悲しみを覚える」とコメントした。「12人は私たちの仲間であり、クリスマスの休暇で幸せな気分だった。彼らの命をないがしろにした行為は理解できない」
メルケル首相はまた、国民に恐れないよう呼びかけた。「市場に一緒に出かけないクリスマスを迎えたくない。恐れや不安に、生きる自由を奪われたくない」
事故現場には多くの人が献花に訪れた。ベルリン市長のミヒャエル・ミュラー氏は「ベルリンでは見たくなかったものだ」と悲しんだ。
ベルリンのブランデルブルグ門はドイツ国旗のイルミネーションに染まった。
アメリカのオバマ大統領は声明でテロを非難した。
「私たちの生き方を狙い、私たちの社会を脅かす勢力と戦うベルリンの皆さんに、私たちはともにあります」
トランプ次期大統領はさらに強い語調で「ISや他のイスラムのテロリストは、世界的なジハード(聖戦)としてキリスト教徒を例は命で殺戮し続けている」と非難した。
フランスのフランソワ・オランド大統領やイギリスのテリーザ・メイ首相ら各国の首脳は、ドイツに哀悼と連帯の意をTwitterで表明した。