フランス社会党のクリストフ・プレマ議員
フランスの右翼政党「国民戦線」のマリーヌ・ルペン党首は、アメリカ次期大統領ドナルド・トランプ氏よりも危険で、2017年のフランス大統領選で勝つ可能性がある――フランス社会党のクリストフ・プレマ議員はハフィントンポストUK版の取材に答えた。
プレマ議員は、「ヨーロッパ大陸に暗雲が垂れ込めている」と述べた。
ルペン党首と極右の台頭については「アメリカで実際に起こったのだから、フランスでもサプライズがあり得るかもしれません。しかし今回ルペンは成功しないと思いますが」と述べた。
ルペン氏はトランプ氏より危険かと聞かれて、プレマ議員は「そう思います」と答えた。
ルペン氏は2015年に、イスラム教徒が路上で礼拝することをナチスによるフランス占領にたとえ、ヘイトを扇動を、トランプ氏の選挙キャンペーン戦略をまねしているようだという。
「ルペン氏が全く同じ言い回しを使うとは思いませんが、同じような手法を用いるでしょう。彼らはフレーズよりも戦略に関心を寄せています」
「マリーヌ・ルペン氏がトランプ氏ほど挑発的だとは思いません。スタイルは同じではありません」
プレマ議員によると、トランプ氏はその政策内容から、フランスの国民戦線の一員だとみなされているという。
マリーヌ・ルペン党首
「社会民主主義の時代は終わりです」と、プレマ議員は言った。
プレマ議員はEU離脱を決めたイギリスについても言及。テリーザ・メイ首相が、イギリスに住むフランス国民をEUとの交渉の切り札として利用していると非難した。
「メイ首相はEUの市場にアクセスするために、イギリスにとって最も有利な条件を求めて交渉していますが、フランスは反対しています。もしこれを認めれば、自国に都合の良いEUの政策のみ協力する『アラカルト欧州』のモデルをEU加盟各国に与えてしまうことになるでしょう。EUの制約は嫌だけど、市場へのアクセスだけは欲しい、そんな言い分は通用しません」
また、プレマ議員は、EU離脱の公式手続きを定めたリスボン条約第50条の発動に関してイギリスが議会の承認を必要とすることを望んでいると述べた。高等法院の判決では、議会の承認が必要であるとされ、議会承認なしでEU離脱交渉を求めたイギリス政府の訴えは却下された。
「この問題について、議会が発言権を持てるように願っています。議会でEU離脱について議論する必要があるでしょう」
「デイヴィッド・キャメロン前首相が政治戦略の観点からEU離脱を利用したのは、恥ずべきことだと思います。多大な影響を及ぼしたので、国民の間で、そして同時に議会でも議論は続くでしょう。ですから、議会がEU離脱に関して発言権を持つのは妥当だと思います」
「しかしもちろん、ある程度は国民の声を尊重するべきです。さもなければ、民主的な手続きに影響を及ぼしかねません」と、ブレマ議員は付け加えた。
ハフィントンポストUK版より翻訳・加筆しました。
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