アメリカ先住民の居留地の水源が汚染される懸念から抗議デモが続いていた石油パイプライン「ダコタ・アクセス・パイプライン」。デモの現場となったスタンディングロック居留地から約150マイル(約240キロ)離れたところにあるノースダコタ州西部のパイプラインから13万ガロン(約50万リットル)以上が川に流出していると、州当局が公表した。
ノースダコタ州保健局の広報担当ジェニファースクホッド氏によると、州内の石油パイプライン「ベル・フォーシェイ・パイプライン」で、オペレーターが原油の流出を止める前に17万6000ガロン(66万リットル)を流出させたという。原油のほとんどは、ベルフィールドの近くの小川「アッシュ・クーリー・クリーク」に流出した、とスクホッド氏は説明した。
このパイプラインを所有する、ワイオミング州に本社を置く トゥルー・カンパニーズの広報担当者ウェンディ・オーウェン氏によると、このパイプラインが破損した原因は不明だという。現地の土地所有者が12月5日、原油の流出を発見した。トゥルー・カンパニーズ社には原油流出を検知する監視システムがあるが、何らかの原因でシステムが機能しなかった可能性がある、とオーウェン氏は述べた。
ここ最近の猛吹雪の影響で小川は凍結しており、原油がどのくらいの範囲で流出したのか、また環境へ影響を評価する調査は進んでいない。通常1日で1000バレルの原油を輸送するこのパイプラインが、いつ流出し始めたのか、関係者が調査している。
「流出したのがいつで、操業が可能になるのかどうかに関して、全く推定できていません」とクホッド氏は語った。
AP通信によると、2006年以来 トゥルー・カンパニーズ社は2006年以降、36カ所で計32万ガロン(約120万リットル)以上の原油が流出したことを公表している。
この地域はスタンディングロック・スー族とその協力者たちが、ダコタ・アクセス・パイプライン建設に抗議してきた場所の西側に当たる。ダコタ・アクセス・パイプラインはミズーリ川をせき止めた人工湖「オヘア湖」の下を横断するように設計されていたが、建設は中止となった。パイプラインの破裂は飲料水を汚染し、神聖な土地を損傷する、とスー族は主張してきた。
アメリカ陸軍省は開発事業者のエナジー・トランスファー・パートナーズが、ダコタ・アクセス・パイプラインのその最終工区をに着手するための地役権を認めないことを発表した。しかしエナジー・トランスファー・パートナーズは、ドナルド・トランプ次期大統領が就任したら、このプロジェクトは完成するだろうと、自信をのぞかせている。
ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。
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