11月25日に90歳で死去したキューバの元最高指導者フィデル・カストロ氏の遺灰が12月4日(現地時間)、キューバ革命発祥の地とされる同国東部のサンティアゴ・デ・クーバの墓地に埋葬された。キューバ共産党の機関紙「グランマ」などが伝えた。
カストロ氏の遺灰は、高さおよそ3メートルの墓石の中に収められ、墓石には「FIDEL(フィデル)」とのみ記されている。CNNによると、カストロ氏は自身が神格化されることを懸念し、公共の場や記念碑に自分の名を付けないよう、弟のラウル・カストロ国家評議会議長に言い残したという。
葬儀では、カストロ氏の妻とされるダリア・ソト・デル・バジュさんら遺族などが墓前に白いバラを供えた。また、生前に親交のあったアルゼンチンの元サッカー選手ディエゴ・マラドーナ氏をはじめ、ブラジルのルラ元大統領などラテンアメリカ諸国の指導者も参列した。
グランマは、「フィデルはマルティと共に」とのタイトルで、カストロ氏がキューバ建国の英雄ホセ・マルティと同じ墓所に埋葬されたと報じ、カストロ氏の英雄性を強調して伝えた。
遺灰の埋葬をもって、9日間続いた服喪期間が終了した。
■共産主義国の「英雄」の火葬は珍しい?
フィデル・カストロ氏の遺体は、本人の遺言に基づいて火葬された。これも、個人崇拝を避けてのことだとされる。
一方で他の共産主義・社会主義国では、死去した指導者の権威を高めたり、その権威を後継者が政治利用するために、遺体をエンバーミング(遺体の保存処理加工)し、生前の姿のまま保存される例がある。1917年ロシア革命を起こし、ソビエト連邦を作り上げた革命家レーニンの遺体は、今も90年前と変わらぬ姿をとどめている。このほか、ベトナムのホー・チ・ミン、中国の毛沢東、北朝鮮の金日成・金正日などが代表的だ。
レーニンの遺体
ホー・チ・ミンの遺体
毛沢東の遺体
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