朴槿恵大統領が辞任表明「進退、国会に任せる」 野党は反発(談話全文)

野党が朴大統領のこの提案を受け入れる可能性は低いとみられる。
South Korean President Park Geun-hye bows during her address to the nation at the presidential Blue House in Seoul, Tuesday, Nov. 29, 2016. The embattled South Korean president says she'll resign if parliament comes up with a plan for the safe transfer of power. (Pool Photo via AP)
South Korean President Park Geun-hye bows during her address to the nation at the presidential Blue House in Seoul, Tuesday, Nov. 29, 2016. The embattled South Korean president says she'll resign if parliament comes up with a plan for the safe transfer of power. (Pool Photo via AP)
ASSOCIATED PRESS

韓国の朴槿恵大統領は11月29日、「大統領職の任期短縮を含む進退問題を、国会の決定に委ねたい」と明らかにした。事実上、2018年2月の任期満了前の辞任を受け入れる考えを示したが、「即時退陣」ではなく、憲法改正などを通じた「秩序ある撤退」と解釈される。

朴大統領はこの日午後2時30分、青瓦台(大統領府)で国民向け談話を発表。「与野党が議論して国政の混乱と空白を最小限に抑え、安定して政権を移譲できる方法を作っていただければ、そのスケジュールと法的手続きに基づいて大統領職から退きたい」と話した。

朴大統領は、「国内外の条件が厳しくなっている状況で、国と国民のためにどうするのが正しい道なのか、多くの夜を明かし悩み抜いた」として「私は今、すべてのものを降ろした」と述べた。

知人女性の崔順実(チェ・スンシル)被告らと共謀し、国政介入や財団を巡る汚職を主導したと検察から名指しされ、朴大統領の支持率は4%に急落。11月26日には韓国全土で約190万人を集める集会が開かれていた。野党3党は朴大統領を職務停止に追い込むため、国会で大統領の弾劾訴追案を可決する方針を固め、与党の一部も同調して12月2日にも可決される見通しだった

野党が朴大統領のこの提案を受け入れる可能性は低いとみられる。

朴大統領は「私は今、すべてのものを降ろした」として、その時まで首相に権限を完全に委譲するなど国政正常化の方法については全く言及しなかった。国会が退けと言うまでは大統領の座を守るとして、国会にすべての負担を押し付けた格好だ。

これに先立ち、朴大統領が電撃的に国民向け談話を発表するというニュースが伝えられた後、野党第一党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表は「3回目の談話であれば、即時退陣レベルまで行かなければならない。そうしないと民心に合致しない」と批判した。

「共に民主党」は国民向け談話の直後「弾劾局面を脱出しようとするトリックにしか見えない」として「弾劾は引き続き推進する」との立場を明らかにした。

共に民主党のユン・グァンソク首席スポークスマンは「国民が望むのは、大統領の即時辞任という決断で、条件を掲げて時間をかけて国会にボールを渡すものではなかった」と一蹴した。

一方、朴大統領は重ねて、知人女性の崔順実(チェ・スンシル)被告と共謀したとされる国政介入疑惑について謝罪しながら、「国のための公的な事業だと信じて推進したことであり、その過程でいかなる個人的な利益も得なかった」と主張した。

しかし、検察は「崔順実ゲート」の捜査で、朴大統領を今回の事件の「主犯」であり「被疑者」と規定して崔被告らを起訴した。朴大統領に贈収賄罪を適用するかどうかも検討されている。

     ◇

以下は国民向け談話の全文。

尊敬する国民の皆さん、

私の不覚で国民の皆さんに大きな心配をおかけした点を、再び深くお詫びいたします。

今回のことで心を痛める国民の皆さんの姿を見ながら、私自身、100回でも謝罪するのが当然の道理だと考えています。

しかし、そのようにしても、その大きな失望と怒りをすべて解くことはできないという考えに至れば、さらに悲しい思いです。

国民の皆さん、

振り返ってみると、過去18年間、国民の皆さんと共にした旅は、これ以上ない、ありがたく貴重な時間でした。

私は1998年に初めて政治の道に入ったときから、大統領に就任して今日この瞬間に至るまで、ひたすら国と国民のためを思う心で、すべての努力を尽くしてきました。

ただ一瞬も私の私益を追求しておらず、小さな私心も抱かずに生きてきました。

今行われているいくつかの問題も、私としては国のための公的な事業だと信じて推進したことであり、その過程でどのような個人的な利益も得ませんでした。

しかし、周辺を適切に管理していなかったのは、最終的に私の大きな誤ちです。

今回の事件の経緯は、近いうちに詳細に話をさせていただきます。

国民の皆さん、

これまで私は、国内外の条件が厳しくなっている状況で、国と国民のためにどうするのが正しい道なのか、多くの夜を明かし悩み抜きました。

私は今、この場で私の決意を明らかにしようと思います。

私は、私の大統領職の任期短縮を含む進退の問題を国会の決定にお任せいたします。与野党が議論して国政の混乱と空白を最小限に抑え、安定して政権を移譲できる方法を作っていただければ、そのスケジュールと法的手続きに基づいて大統領職から退きます。

私は今、すべてのものを降ろしました。一日も早く大韓民国が混乱から抜け出し、本来の軌道に戻ることを望む心だけです。

もう一度、国民の皆さんに心から申し訳ないという言葉を申し上げ、大韓民国の希望に満ちた未来のため、政界でも知恵を集めてくださるよう呼びかけます。

ハフィントンポスト韓国版に掲載されたものを翻訳しました。

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