政界引退を表明したニコラ・サルコジ前大統領
フランスの最大野党で中道右派政党の「共和党」は11月20日、2017年春の大統領選の候補者を選出する予備選を実施した。即日開票の結果、大統領への返り咲きを目指していたニコラ・サルコジ前大統領(61)は3位となり、予備選での敗北が決定。サルコジ氏は、政界を引退する意向を表明した。ハフィントンポスト・フランス版などが伝えた。
立候補者7人のうち1位は得票率44.2%でフランソワ・フィヨン元首相(62)、2位は28.5%のアラン・ジュペ元首相(71)、サルコジ氏は20.6%で3位だった。得票率50%を超える候補がいなかったため、フィヨン元首相とジュペ元首相、上位の2人による決選投票が27日に実施される。
サルコジ氏は記者会見で、「私の信念のために情熱を込めて戦ったが、有権者を納得させることはできなかった」「フィヨン氏とジュペ氏を祝福したい」と予備選敗北を認めた述べた上で、「公人としての生活よりも、プライベートに情熱を注ぐ時が来た」と事実上の政界引退を表明した。
その上でサルコジ氏は、「ジュペ氏には敬意を払うが、私はフィヨン氏に投票する」述べ、決選投票でのフィヨン氏支持を表明。そして会見の最後には「さようなら」と述べ、支持者たちに別れを告げた。会見では「ニコラ!」コールと多くの拍手があがった。
ジュペ氏はシラク政権で首相を務めたベテラン政治家で、穏健な姿勢をとる。一方のフィヨン氏はサルコジ政権で首相を務め、選挙戦ではサルコジ氏とジュペ氏の中間の立場から支持を集めた。
フィヨン氏(左)とジュペ氏
■オランド大統領率いる左派陣営は厳しい選挙戦に
フランスではテロや景気の低迷で、左派「社会党」を率いるオランド大統領の支持率は10%台に低下。左派陣営は厳しい選挙戦になりそうだ。NHKニュースは、大統領選挙では「共和党」の候補や極右政党「国民戦線」のマリーヌ・ルペン党首が有力候補になるとみられると伝えた。
「国民戦線」のマリーヌ・ルペン党首
ロイターによると、大半の有権者は世論調査で「国民戦線」による政権運営には反対と回答。そのため「共和党」の候補が「国民戦線」のマリーヌ・ルペン党首に勝利すると予想されており、27日の決選投票の勝者が大統領選を制する可能性が高いとみられている。
▼サルコジ前大統領夫人・カーラ・ブルーニさん▼
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