陥没事故発生から復旧作業を経て、通行再開したJR博多駅前の道路。写真左は陥没が発生した11月8日、同右は11月15日撮影=福岡市博多区
福岡市のJR博多駅前の道路が大規模に陥没した事故で、福岡市は11月15日午前5時、道路の埋め戻しと舗装作業を完了させ、通行を再開させた。事故発生から1週間。この作業スピードを、海外メディアがこぞって報じている。
CNNは復旧について「巨大な穴は、日本の技術と効率によって、わずか数日後には消えた」と紹介。8日に陥没が起きてから、12日までは穴を塞ぐ作業が行われ、その後48時間で、電気や水道、下水、ガス、通信設備などが復旧したと解説した。
この作業スピードについて、イギリスのガーディアンは「作業者たちは昼夜問わず働き、わずか2日間で道路を塞いだ」と紹介。「日本の職人技と能力の典型だ」と絶賛した。
オーストラリアのシドニー・モーニング・ヘラルドは、「数日で元通り」との見出しで報じ、イギリスのTwitterユーザーによる「マンチェスターの陥没は復旧まで6カ月もかかったのに…」とのツイートを紹介した。
ハフィントンポストUS版は、「レバノンでは数年かかる」「モントリオールでは5年以上かかる」など、世界の人々の驚きの声を多数掲載している。
陥没から復旧までの様子(ゆっくりスピードで見たいかたはこちら)(時事通信社)
■「他の仕事は受けるな!」復旧会社に飛んだ檄
毎日新聞によると、復旧の作業ではまず「流動化処理土」と呼ばれる、流し込むと固まる特殊な土を流し続ける作業が続けられた。その後、土が固まった11日夕方、ライフラインの復旧工事を進められるようになったという。
流動化処理土は固まりやすい性質を持つため、作り置きはできない。産経新聞は復旧工事を担当した建設業「環境施設」では、市から依頼があった時に「緊急事態だ。新しい仕事は受けるな!」との社内号令が飛んだと紹介した。
すべての処理土を運ぶには、延べ1千回近く、ミキサー車で搬入する必要がある。関係者は、あらゆるところからミキサー車をかき集め、ピストン輸送した。
ミキサー車で現場に運ばれた処理土は、2台のポンプ車に移し替えられ、穴に注がれる。何台ものミキサー車が、スムーズに入れ替わり立ち替わりする様子は、ネットでも話題となった。
(【博多駅前陥没】「新たな仕事は受けるな!」穴埋め処理土 9時間後に用意 事故処理ノウハウ蓄積(1/2ページ) - 産経ニュースより 2016.11.10 23:45)
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