アメリカ大統領選で共和党のドナルド・トランプ氏が勝利したことを受けて、11月9日には全米各地で「反トランプ」のデモが発生。アメリカは混迷の度合いを深めている。
CBSニュースによると、ニューヨークで9日夜、7000人〜1万人近いデモ隊がマンハッタンを行進。トランプタワーのある五番街に迫った。
デモ参加者たちは口々に「(トランプ氏は)私たちの大統領ではない」などのスローガンを叫びながら行進した。これはトランプ氏が勝利演説で述べた「すべてのアメリカ人の大統領になる」という言葉を逆手に取ったものだ。
デモ隊の接近を防ぐため、ニューヨーク市警はトランプタワー付近にバリケードを設置した。当局によると、デモの大部分は平和裡に実施されたという。その一方で、ニューヨーク市警は公式Twitterに「反トランプで、火炎瓶の入ったカバンを持った2人の男を探している」と投稿した。
このデモに関連し、ニューヨークでは少なくとも15人が逮捕されたという。
■マイケル・ムーア監督「抗議活動は始まったばかりだ」
デモには、トランプ氏を批判している映画監督のマイケル・ムーア氏も参加。その模様をFacebookで報告した。
ムーア氏は「いま夜の路上に、数万人のデモ隊と一緒にいる。盛り上がった抗議活動は始まったばかりだ」と投稿している。
■ボストン、フィラデルフィア、シカゴ…全米10都市以上で
「反トランプ」のデモは全米各地に広がっている。カルフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の学生1000人以上が「くたばれ、トランプ!」と叫び、デモ行進があったほか、ロサンゼルスでは数千人規模の「反トランプ」の群衆が集まったという。
CNNによると、アトランタ、オースティン、フィラデルフィア、シカゴ、デンバー、ポートランド、オレゴン、ワシントンD.C、ボストン、シアトルなど10都市以上でトランプ氏の勝利に抗議する数百〜数千人の人々によるデモが発生している。いずれも民主党の大きな拠点がおかれている地域だという。
アメリカ国旗を燃やす反トランプのデモ参加者
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