故人が当選、どういうこと? トランプ氏当選の大統領選と同日、カリフォルニア州で衝撃の選挙結果

対立候補に6ポイント差をつけて当選。

11月8日、カリフォルニア州オーシャンサイド市で再選を果たした故ゲイリー・エルンスト氏。

世界に衝撃をもたらしたアメリカ大統領選のドナルド・トランプ氏勝利。同じ日、カリフォルニア州シーサイド市では、亡くなった人が当選するという事態が発生した。

南カルフォルニア出身のゲイリー・エルンスト氏は、オーシャンサイド市財務官の再選を目指して立候補したが、9月23日に61歳で急死した。しかしオーシャンサイド市当局は、投票用紙から名前を削除する時間がないため、ゲイリー氏の名前が記載されたままの投票用紙を使用することにし、結果として対立候補のナディーン・スコット氏を抑えて見事当選した。

スコット氏はエルンスト氏が亡くなったことを有権者に知らせ続けたが、結果はエルンスト氏がスコット氏を得票率で6ポイント上回った。

Did you know that my opponent for City Treasurer has sadly passed away yet remains on the ballot due to Election Code...

Posted by Nadine Scott for Oceanside City Treasurer on Wednesday, 2 November 2016

ご存知でしたか? 市の財務官に出馬した私の対立候補が、不幸にも亡くなりました。しかし選挙法の規定で、投票用紙に彼の名前が残ります。オーシャンサイド市財務官選挙では、私、ナディーン・スコットに投票し、あなたの票を実りあるものとしてください。私はこの役職に適任です。財務局の独立性と政治的平等を守ることを固くお約束します。ジェリー・カーンは皆さんに棄権を呼びかけています。彼の思い通りにさせてはいけません。もし私が負けたら、自分と親しいゲイリー・フェリエンを財務官に就かせようとしているのです。オーシャンサイドの有権者はすでに彼を退陣させたというのに!

スコット氏は地元テレビ局NBC7の取材に対し、落選という結果にはなったものの、自分に投票した1万5500人の人々に応えるために引き受けたいと話した。しかし少なくとも、彼女を批判する中のひとりには別のプランがあるようだ。

オーシャンサイド市のジェリー・カーン市会議員は、スコット氏の落選により市議会が他の人物を指名することを望み、エルンスト氏の死後も彼を支持して集会や演説を続けた。

「ゲイリーは亡くなってしまいましたが、それでも彼の方がより優れた候補であることに変わりはありません」と、カーン議員は地元メディア「Voice of San Diego」に語った。

エルンスト氏の代わりに他の誰かを任命しないとすれば、市に残される他の選択肢は特別選挙の開催だ。しかし地元テレビ局ABC10の報道によると、選挙を実施するには500万ドル(約5億3000万円)の費用がかかる。

スコット氏は、「カーン氏にも自らの意見を述べる権利はある」としながらも、自分が適職なのは明らかで、少なくともすでに亡くなった人物よりも資格が劣ることはないと反論した。

彼女はABCニュースに「私には政治経験があります。法学の学位と、法務の経歴もありますし、過去20年間、地方財務官を務めてもいました」と語った。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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