「私は社会に訴える」宇都宮爆発の容疑者?がネットで訴えた、追い詰められた心境

「大きな事件にならなければ問題を見向きもしない」「私は社会に訴える」と、悲壮な心境がつづられていた。
時事通信社

宇都宮市で10月23日午前に3件の火災・爆発に関与したとみられる元自衛官の栗原敏勝容疑者(72)。「命を絶って償います」との遺書を持っており、自殺を図ったとみられている。

本人とみられるネットの投稿をたどると、家族が精神障害を患ったことで家族関係に問題を抱えたと訴え「大きな事件にならなければ問題を見向きもしない」「私は社会に訴える」と、悲壮な心境がつづられていた。

■「家庭が崩壊しました」

2016年10月21日にYouTubeにアップされた音声は、家族に精神障害のある人が集まる会合での訴えを録音したとしている。

「非常に凶暴性もあって(中略)包丁で刺し込まれる場面も適切に待避し、防ぎました。4回目の措置入院では、手首を切る、薬を飲んで自殺寸前のところも助けました。4回も措置入院しましたけど、家庭が崩壊しました」と話していた。

「信教宗教・占い師・祈祷師による治療」も受けた結果「退職金を全て子供の為にと使い果した」(9月29日のブログ)という。「定年後に稼いだ老後の資金は全て、裁判所に差押没収された」とある。

Twitterの投稿をたどると、宇都宮地裁で判決が出るたびに、個別の裁判官の名前を挙げて不満をつづっていたほか、ブログなどでは精神障害者やその家族に行政が無理解だとするいらだちも投稿されている。

10月21日のYouTubeでは「債権差押え預貯金を奪取され・住居家屋まで抵当に入れ、間もなく競売に附し没収される。冤罪判決だ。もう、預金も住む場所も無くなる」との文字が表示された。

■「大げさにしなければ成りません」

一方でTwitterのフォロワーも10月24日午前の段階で約300人。10月に入ると、注目を浴びないことに焦る内容の投稿が出ていた。

10月9日のブログでは「ネット炎上を期待しているのですが、訪問者さえ少なく、色々と工夫しております。大げさにしなければ成りません」と書いている。

10月21日のYouTubeでは、以下のように語っていた。

個人としてはどうにも対応できない。大きな事件にならなければ問題を見向きもしないという現代の風潮は、非常に不満を持っております。

穏やかな口調とはうらはらに、表示される字幕は、切迫していた。

精神障がい者の子を持つ夫婦は多くが悲劇を

持って終わる。私も例外ではない。全てに負けた。

私は社会に訴える。

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