アメリカ大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏は10月17日夜、選挙集会やテレビのインタビューなどで繰り返し「大統領選の投票に不正行為がある」と述べ、不法移民が不正な投票をしていると主張した。
「膨大な数の不正投票がある。共和党指導者がそれを確認しないのは、私には理解できない」と、トランプ氏はウィスコンシン州のグリーンベイでの集会の前、FOXニュースに語った。
「あまりにも多くの都市が腐敗していて、不正投票が当たり前になっている」と、トランプ氏は演説直後にも言った。
トランプ氏は、2人の政治学者が寄稿したワシントンポストのブログを引用して延々と不正投票の主張を続けた。政治学者たちは、2008年に投票した「非市民」(「渡航証明がない移民」とは言っていない)は、民主党のアル・フランケン氏が当選した上院選と、バラク・オバマ大統領が当選したノースカロライナでの大統領選の結果に影響を与えるのに十分な数だったと推計していた。
この投稿は、「エレクトラル・スタディーズ(選挙研究ジャーナル)」の論文に基づいたものであったが、科学的な世論調査の典型である無作為抽出ではなく、回答者が参加を選択するオンライン調査によるデータに依存しているとして、激しく批判された。
トランプ氏はこの数週間、証拠を示すこともなく「不正投票がある」と訴えている。11月8日の選挙では、不正投票によって一部の地域が奪われるだろうと主張した。一部の地域とは、フィラデルフィアのような大都市のことだという。
トランプ氏の発言は共和党内部からも批判を呼んだ。彼の支持者の中には、トランプ氏の主張は「一般論としてそういうことが起こるかもしれないという警告だ」と擁護する人もいる。あるいは、共和党の副大統領候補マイク・ペンス氏のように、民主党の大統領候補ヒラリー・クリントン氏を支持するニュースメディアがトランプ氏を批判しているのだと主張する人もいる。
しかし、トランプ氏は不正投票は今も起きていると主張し続けている。16日午後のツイートで、トランプ氏は次のように書いた。
この選挙は絶対にいんちきヒラリーを後押しする嘘つきメディアに仕組まれている。世論調査もそうだ。悲しい
彼は17日朝に続けて次のように書いた。
当然、大規模な不正行為が投票日に行われる。なぜ共和党の上層部は今起きていることを否定するのか。おめでたいこった
トランプ氏は、アメリカ国民から雇用を奪い、人口比と不釣り合いなくらいの数の暴力犯罪が起きているのは不法移民のせいであり、アメリカの災難だと非難してきた。トランプ氏は2015年6月、不法に国境を越えて来るメキシコ人はレイプ魔で犯罪者であり、この国にいる1100万人の不法移民を追放すると主張して選挙活動を始めた。
ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。
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