福岡県宗像市が民間企業5社と連携協定を結んで進めている市内の団地再生や地域活性化事業の中で、「女子力大学」と銘打って、市内の女子大生が「女子力」を向上させるための講座を団地で開講するとした専門家会議の提言に、ネット上で「地獄絵図」「一昔前の『花嫁修業』的発想、炸裂」などと批判の声が集まっている。
宗像市は2014年8月に高齢化や人口減の進む団地の空き室などを活用した再生・活性化を目的に、この専門家会議を設置した。会議には住宅メーカーや銀行など民間の5社の代表者と学識経験者、副市長が委員として参加し、4回の会議を経て具体案をまとめ、2015年3月に市長に提言した。
提言書では、「教育」を地域ブランドにし、女子大生の地域参加を促すことを趣旨に掲げている。
「大学」の具体的なイメージとして、「女子力を向上させる文化・教養・趣味・作法などに詳しい福岡や北九州の教育者や文化人を講師として招聘し、定期的に講座を開催」と記載。イメージ図では「お茶」や「お花」を習う女性たちの想像図が描かれていた。
どのような意図でこの企画が生まれ、今後どう進んで行くのか。宗像市秘書政策課の担当者はハフポスト日本版の取材に対して以下のように答えた。
——この提言についてその後、市では事業を進めているのでしょうか。
民間事業者交えての提案で、市が主催でこのような事業をすると決定したわけではありません。提言の中でいくつか既に事業化を進めているものもありますが、「女子力大学」については、まだ具体化していません。
——「女子力大学」の狙いは
都市を再生するにあたって、賑わいづくりとして色々なものが考えらえる中で、女性向けの講座をしようと決まったということです。市内には3つの大学がありますが、看護学部など、女性の割合が比較的高いのでそういう方達を呼び込もうと。
——「女子力」向上を掲げた提言について、ネット上では批判の声もあります。これまでそうした意見などは寄せられていましたか
特にありません
——公的な機関が「女子力」を向上させるために作法などの講座を設置するという点で、「女性はこうあるべき」という規範を押し付けているのでは?といった疑問の声があります
そういう感覚はありませんでした。市から「女性はこうあるべき」などと言っているわけではありません
——姉妹講座と銘打って、「宗像オヤジ再生カレッジ」「親父らしさ発掘講座」というのも提言に含まれています。親父らしさとはなんですか?
大人のための講座ということだろうと思いますが...。想定内容は聞いていません。
——女性をターゲットにした事業にもかかわらず、委員に女性が一人もいないという点も疑問視されています。
女性を排除するという感覚はありません。結果的にそうなりました。
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