25歳のフランス人モデル、ルイーズ・ドラージュは、オシャレな毎日をInstagramで紹介している。Instagramを始めたのは8月だが、フォロワーはすぐに5万を超えた。
豪華な部屋に住み、休日はビーチで過ごしたり、水上パーティーをしたり。そんな誰もが羨むような生活を、多くの人が注目していた。
ところが、これが偽アカウントだということが発覚した。写っているのは25歳のフランス人モデルなのだが、これは若い女性の贅沢な暮らしを見せるためのアカウントではなかった。
写真には、あるメッセージが隠されていたのだ。ヒントは、全ての写真にさりげなく写っている「あるもの」だ。わかるだろうか?
答えは「アルコール」だ。
ビーチでもベッドルームでも、彼女の近くには必ずどこかにお酒がある。
実はこのInstagramアカウントは、見ただけではわからないアルコール依存症に光を当てるために作られたものだった。
アカウントは、アルコール依存症の人たちを支援する団体「Addict Aide」が立ち上げたキャンペーンの一環として作られた。
Addict Aideは、9月末にアカウント上で動画を投稿して真実を明らかにし、「私たちはアルコール依存症を簡単に見過ごしてしまうだけではなく、いいね!することで、気づかずに依存症を助長してしまう可能性もある」と伝えた。
動画を制作したパリの広告代理店「BETC」の代表取締役でクリエイティブ・ディレクターのステファヌ・ジベハス・パリス氏は、「友人、子供、親……。近くにいる人の依存症に気付くのは難しい。だから、この問題を取りあげるために、毎日会っていたあの人がまさか依存症だったなんて……と思うような人物を作り上げてみようと思ったんです。そのために、偽のInstagramアカウントを作りました」と広告紹介ブログAdFreakで述べている。
同氏はまた、もっと多くの人に気付いて欲しかった、とも語った。
「もっと多くのフォロワーに、ルイーズの行動を見て隠されたメッセージに気付いて欲しかったです。気が付いた人はわずかでした。もちろん、中にはジャーナリストもいました。だけどほとんどの人は、彼女を若くてかわいい女の子だとしか見ていませんでした。本当は不幸せで深刻なアルコール依存症を抱えた寂しい女の子だ、と思う人は、ほとんどいなかったのです」
「今の時代、多くの人たちが、ソーシャルメディアで理想の生活を演出しようとすることがあります。そうすればするほど、理想に反した現実は隠されてしまいがちです」
ハフポストUK版に掲載された記事を翻訳しました。
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