富士通が、世界最大手の中国聯想(レノボ)と合弁会社を設立し、事業を統合する方向で調整していると10月6日、NHKニュースなどが報じた。部品調達コストを削減し、競争力の強化につなげることなどがねらい。
■富士通とレノボの統廃合はどう進む?
- 2017年3月末をめどに統合
- 富士通とレノボの合弁会社を設立
- 富士通のPC事業は合弁会社に移管
- レノボが出資で過半を握る
- 「FMV」ブランド維持
- 富士通の福島県伊達市・島根県出雲の工場での生産や従業員の雇用は維持
- 富士通のPC工場の人材はレノボへ
両社は早ければ、月内の合意を目指すという。
■レノボとは?
レノボは、2005年にアメリカIBMのパソコン事業を買収し、中国から世界市場に進出。2011年にはNECのパソコン事業を統合した。
NECの「ラヴィ」やレノボ「ThinkPad」などのブランドを手がけており、2015年はパソコン国内シェア26.9%とトップだ。
■富士通はシェア2割弱
富士通のFMシリーズは、1981年の「FM-8」から35年の歴史を誇るが、スマホやタブレットの普及により、日本のパソコン市場は縮小傾向。富士通は国内シェア2割弱のシェアを持つが、2015年の出荷台数は、前年同期比で24.19%減少した。
富士通は2015年12月、東芝とソニーのPC部門が独立したVAIOの3社で、パソコン事業の統合に向け検討に入ったと報じられた。しかし、製造拠点の統廃合などで折り合えず、交渉が決裂。朝日新聞デジタルは、「統合後の成長戦略を検討したところ、予想以上に生産台数の伸びが期待できず、部品の共通化などによるコスト削減効果が十分に得られないと判断した」などと伝えていた。
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