フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は10月4日、マニラで演説し、麻薬犯罪者を超法規的に殺害するドゥテルテ氏の方針を批判するアメリカのバラク・オバマ大統領に「地獄に行け」と述べた。ロイターなどが報じた。
この日からアメリカ軍とフィリピン軍の合同軍事演習「フィブレックス」が始まったが、ドゥテルテ氏は「今回が最後だ」と述べた。
BBCによると、ドゥテルテ氏は、薬物取引撲滅のために「超法規的殺人」も認める強硬路線をアメリカが批判していることに不満を示し、「アメリカ政府は信頼できない同盟国だ」と述べた。
「私たちを助ける代わりに、アメリカの国務省はまず我々を批判する。だったらオバマ氏よ、お前は地獄へ行け。地獄に行くんだ」
ドゥテルテ氏はまた、武器の販売を一部拒否しているアメリカを非難した。「尊敬は重要だ。私の大統領在任中にアメリカと縁を切るかもしれない。ロシアや中国の方がいい」と述べ、「アメリカよ、もしお前らがフィリピンに武器を売らないのであれば、俺はロシアに行く。フィリピン軍司令官がロシアを訪問したら、ロシアはこう言ったんだ。『心配するな、あなたたちが必要なものは全部あるから差し上げよう』ってな。中国だって、『訪問してくれて署名すれば、何でも提供する』と言っている」
ドゥテルテ氏はアメリカと同様、フィリピンの麻薬対策を非難するEUも攻撃した。「奴らは煉獄(カトリックの教えで小さな罪を犯した死者の霊魂が天国に入る前に、火によって罪の浄化を受けるとされる場所)のほうがいいだろう。地獄はもういっぱいだからな」
■ アメリカ政府の反応は……?
CNNによると、ホワイトハウスのジョシュ・アーネスト報道官はドゥテルテ氏の発言に対して、「両国は友好関係にある」と述べた。また、フィリピンの超法規的殺人に関する懸念を「ためらわずに表明する」とし、ドゥテルテ氏の発言は世界の人権感覚と「完全に矛盾している」と述べた。
「我々はこうした報告に関して、重大な懸念を表明する。沈黙することはない」
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